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コネタ


コネタ067
 
暇を売る店。
平日の昼間に佇む「暇を売る店」

夏休み前の追い込みで忙しい毎日。
こんなことでは夏休みを取る前にクタバッテしまう。
「あ〜、時間が欲しい。暇が欲しい。」
そんなことを考えながら歩いていたら、『暇を売る店』という名のお店を発見。

「暇を売ってくれるなら、クタバル前に暇を買おう!!」
思わず、お店のドアに手を掛けた。

「カラン♪コロン♪」
懐かしいドアベルの音と共にドアを開けるとそこには緩やかな時間が・・・。

「暇を買って楽しむ。」
そんな優雅な時間を過ごした(?)一部始終をどうぞご覧ください。

前田拓



「プハーッ」アイスティーで涼を楽しむ。

買った暇はアイスティーで・・・。

午前10時半。
お店に入ると早くも優雅な時間(暇)を楽しんでいるお客さんが5人。
話の節々から、皆さんご近所の常連客のようだ。

なんとも楽しそうな会話に私も輪の中に入りたいと思いながらも、まずはアイスティーで一服することに。

この日は午前中にもかかわらず気温が35℃に迫る勢い。
暑い外の様子を見ながら、冷たいアイスティーを口にする。
「これぞ至福の時。」
アイスティーを注文することによって私の優雅な時間(暇)への期待度はドンドンと加速していく。

この時、BGMにはビバルディの「四季」。


「ムムッ」知恵の輪に悪戦苦闘。

残った暇は知恵の輪で・・・。

アイスティーで喉を潤し、クーラーで涼を取り、さあ、 これからどのように優雅な時間(暇)を過ごそう・・・。
せっかく優雅な時間(暇)を買っているのだから・・・。

「そうだ、先日、何気なく買った『知恵の輪』がカバンに入っているはず。『こんな時こそ敢えて知恵の輪』。これぞ大人ならではの優雅な時間(暇)の過ごし方に違いない。」
そう心に決め込んで知恵の輪を取り出す。

これが案外難しい。
知恵の輪というより力技を要するエクササイズマシーンのような勢いだ。
その悪戦苦闘ぶりに思わず殺気が・・・。
こんなことでイライラしてはいけない。
私は優雅な時間(暇)を過ごしているはずなのだ・・・。

この時、BGMにはバッハの「ブランデンブルグ協奏曲第1番」。
「暇を買った」満足度は76%。


「アレレッ」思わずブラジャーが・・・。

最後の暇はハンカチで・・・。

「暇を売る店」に入って1時間が経過した頃。
知恵の輪にもある程度の「飽き」を感じ始める。

その頃にはお店に入ってすぐに汗を拭ったハンカチで知らず知らずに遊んでいた。
「そういえば、小学校の時、ハンカチで何が作れるかを競ったなぁ。」
そんな郷愁に黄昏る。

この時、「暇を買っていた」はずの私は確実に「暇に弄ばれている」存在となっていた。

そこで何気なく作った完成品が写真左の「ブラジャー」。

ハッと我に返る。

この時、BGMにはモーツァルトの「アイネクライネナハトムジク」。
「暇を買った」満足度は45%。

気持ちの何かが逆転している!!




暇を売る店の本当の姿

ライターを忘れていただいたマッチ。
常連客で賑わう店内。
オーナーの佐潟順子さん。

私の気持ちの何かが変化し始めているそんな時、オーナーの佐潟順子さんとお話をすることに。

「もう20年も前になりますが、ココは元々、近所の方が暇な時間に趣味で創ったものなどを販売していたんです。私もその頃は暇を見つけては1ヶ月に2度程東南アジアに買い付けに行っていたんですよ。だから『暇を売る店』と名付けたんです。」

「ナニッ? なるほど。」
私が思っていた「暇を買う」という見解がズレているではないですか。
大変失礼な勘違いをしていたものだ。
何だか恥ずかしさから、居ても立ってもいられなく、モゾモゾする。
すると佐潟さんが
「でも、ココのお客さんは本当に『暇を買う』ために来ているようなもんですよ。長い人は朝から夜まで居ますからね。悪いお客さんが一人もいないから朝からお酒も出せますしね・・・。」

何だか安心をしたその時、私も本当の意味で「暇を買った」ような優雅な時間を感じた。

「暇を売る店」
東京都目黒区鷹番3−6−6
マンション立花103
TEL:03−3715−6037

 


 

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