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コネタ


コネタ116
 
田んぼを守れいろんなカカシたち

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 そこに住むまで知らなかった私だが、実は千葉県・南房総はそれなりに米どころ。車でうっかり道に迷ってしまい、田んぼに囲まれて途方に暮れたこともあった。

 そんな田んぼを鳥害から守るのがカカシ。ひっそりと田んぼにたたずむ彼らをよくよく見ると、必要以上に個性的だったりするではないか。

 そんなカカシたちが集結するのが年に一度行われるカカシコンクール。今回は鴨川市にある「みんなみの里」という施設で行われたカカシコンクールの出品作品たちを紹介してみたい。(法師丸)

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かわいいけど独特の雰囲気

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カカシの仕組みという既成概念に挑戦

●はみ出せカカシ仲間たち

 上の写真にあるとおり、さまざまなかわいらしい作品がそろったこのコンテスト。鳥たちを追い払う目的で作られるカカシだが、人間には意外と親しみやすい雰囲気のものも多い。

 左の写真もクリッとした目がかわいいのだが、作ってしばらく経ったからだろうか、なんとなくうつむき加減になっている。

 伏目がちに何かを見つめるカカシ。元気出せよと言いたくなる。

 そうかと思うと人気キャラクターのぬいぐるみを流用した、わかりやすいかわいさのカカシもあった。首の部分にずどんと突き刺さったぬいぐるみ。それらしく見せる工夫を廃し、いたってシンプルにぬいぐるみをフィーチャー。

 かわいさはわかりやすいのだが、これをカカシと言っていいのかどうかがわかりにくい。

 さらには有名人と同じ名前のカカシも登場。似ているのかどうかがよくわからないというか、小林さんの方はなぜだか顔を布で覆われていて本当にわからない。

 思っていた以上にクールだった現在のカカシシーン。そのフリーダムはどんどん加速していく。

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中高年女性に人気のあの人なのか
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なぜだか不安も湧いてくる

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カカシかどうかなんて些細なことじゃないか


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もうぶっ飛んでます

●カカシジョイフルワールド

 これまで紹介してきた作品たちも十分に個性的だったが、カカシという制度に挑戦しているかのような作品たちはまだまだある。

 左は「名探偵ロボット」と題された作品。凝って作ったものではないかも知れないが、得も言えぬ迫力は十分に伝わってくる。自立できてないこともカカシの機能として疑問が残るが、そんな理屈を超えた作風に圧倒される。

 もうカカシがカカシであるなんてどうでもいいじゃないか。そんな気にもなってきた。

 首が異常に長いカカシにも度肝を抜かれた。不意に飛び道具を食らったようなこの衝撃はなんだろう。

 カカシのあり方みたいなことは置いておいて、まずは楽しいことが大事じゃないかというジョイフル優先のスタンス。そういうことなんだと思うし、私もそれを支持したい。

 米を守るのは米ということだろうか、米そのものがモチーフとなった作品もあった。作風としてはほんわかしてたり意外と迫力あったりで、その自由自在さに翻弄される。

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ふさおとめという地元産の米をモチーフに
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コシヒカリちゃんもいるけどコワモテ

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無理やり伝わってくる迫力

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髪型も忠実に再現

●元気そうだったあいつ

 カカシたちの中には、流行や時事を巧みに絡めている作品もあった。左は今年の大河ドラマになっている新撰組をモチーフにしたカカシだ。

 確かによくできている。見る人が見れば、新撰組の誰なのかもわかるのだろうか。

 知識がない私にはわからないが、こんな人が突然家に押し入ってきたりしたら相当おそろしいだろうということはよくわかる。

 五輪で活躍したあの選手のカカシも登場。モデルとおぼしき当人は金メダルを獲得したが、このカカシもそれに負けじとコンクールでは2位にあたる賞を受けていた。

 そのコンクールで優勝したのは、地元にゆかりのある日蓮上人を模したカカシ。小物や衣装で効果的に似せながらも、クラシックなカカシ感がしっかりあるのは確かにすばらしい。

 実はこのカカシコンテストには、8月4日の特集「カカシを作ってみる」で製作した「住さんカカシ」も自動的に出品したことになっている。相変わらず元気に突っ立っていた住さんカカシ。さて、その審査結果は…。

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優勝作品。地元の歴史とからめた手堅い作風
頭がとんがってきた住さんカカシ(ポインタを乗せると作った当日の写真になります)

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参加賞でも十分うれしい

行き先不透明な住さんカカシ

 コンクールの結果は、特に選に入ることなく参加賞。自分なりに一生懸命作ったカカシだったが、上位入賞カカシたちのすばらしいできばえを見ると悔いはない。

 悔いはないし、参加賞としてソフトクリーム券を2枚もいただいてうれしい。

 カカシ製作の際に材料費500円を払ったのだが、ソフトクリーム2つ分も実は500円。楽しませていただいた上にこの良心的なはからい、これがカカシマインドなんだと思う。

 施設の方に「カカシはお持ち帰りになりますか?」と問われて答えに窮していると、「では私たちの方でおあずかりいたします」との助け舟。さすがに自宅にカカシ用のスペースはないので、これもまたありがたい心遣いだ。

 たぶん今後も田を守ることはないと思われる住さんカカシ。本来の目的を果たすことなく夏を駆け抜けていったカカシのことを、これからも忘れないでいようと思う。

 

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