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コネタ


コネタ152
 
だらだら祭りをだらだら楽しむ

東京の芝神宮のお祭りは「だらだら祭り」と呼ばれている。

だらだら。ハイテンションの代名詞である祭りに対して「だらだら」ときた。だらだらしてたら祭りじゃないだろうに。

一体どんな事情があってでだらだらなのか。行ってみました。

古賀 及子

だらだら祭り、その由来
だらだら祭りは東京の大門にある芝神宮の秋の祭礼だ。今年の開催期間は9/11〜9/21(ただし一般の参加は15日〜19日)。10日間、ずっと祭りだ。長い。

そう、だらだら祭りの「だらだら」は、そのあまりの期日の長さに「だらだら続く祭り」とつけられたそうだ。ダラダラとかったるそうに運営するからというわけでは決してないのだ。

駅ばりのポスターなどの情報では縁日や屋台、御輿などで賑わって、太鼓や太極拳をやったり大盛り上がりだという触れ込みだ。しかも今年は38年ぶりに太太神楽(だいだいかぐら)という古式の舞の上演が復活するという。実際は大盛り上がりなんである。

ただ、そんな長期に渡って祭りのテンションって本当に維持できるもんなのだろうか。


いかにも「祭り」な参道入り口に到着

神社への参道に着くといきなり提灯を組んだゲートがあらわれた。確かに祭りだ。

が、くぐってしまうと通りはまた普通の町と変わらない様子に戻ってしまった。縁日は? 祭りはどこだ??


あれ縁日は??

神社の境内に近づくと、ようやくそれらしきお祭り屋台が見えてきた。


屋台、ポツポツと。

……。あれ? 祭りの活気は?
「活気むんむんなのに名前は“だらだら祭り”!いえーい!」
と盛り上がる予定だった私は完全に拍子抜け。むしろ本当にだらだらしてる感じ。


川柳の先生も、
良縁をよぶという千木筥(ちぎばこ)の実演販売の方もどこかへ

各屋台の方々は前線より一歩下がった場所に腰を下ろして世間話をしていらっしゃる。営業しているのかどうかも疑わしが…。あ、あの…スモモの飴1つくださーい。


買えた

よかった、屋台はちゃんと営業しております! 女将さんは後方に腰掛けたダラダラ状態からサッと営業モードに切り替えてチャキチャキ対応してくれた。

古賀「あの、今ってお祭りの最中なんですよね?」
女将さん「そう、今日は夜に御神輿が出るよ」
古賀「御神輿とか出たりするとき意外はだいたいこんな雰囲気なんですか?」
女将さん「うーん、まあそうだねえ、何しろ期間が長いから何もないときは人出もしぼむね」

あ、やっぱり。さすがに10日間朝から晩までぶっ通しで祭りというのはいくら祭り好きの江戸っ子にも無理というものだろう。みんな会社だってあるだろうし。

女将さんも言っていたように期間中は頻繁に御神輿が出たり、太鼓の演奏があったりする。そうなるとダラダラしているどころではなくなるようだ。

縁日ももっと屋台が増えて盛り上がる日がピンポイントであることを後で知った。


びっしり組まれた御神輿スケジュール

だらだら祭り、そのもうひとつの顔

あ、しまった。屋台で買い食いする場合は参拝をすませてから、という祖母の教えをうっかり忘れていた。あわてて水飴が歯につきまくりの状態で参拝。

ん? なんだ、あれ。中に何やらゴツゴツした余りお供えっぽくない黄色いものがある。


ん?
これは…

とぼけてみましたがこの祭り「だらだら祭り」の他に「生姜祭り」とも呼ばれているのだ。神様が好むと信じられていることと、昔は薬として重宝されたことでお祭りのときに納められるようになったらしい。

「だらだら祭り、別名、生姜祭り」って何かかつがれているようだが、昔からそうなんだから仕方がない。

本当に昔は屋台で生姜を売る店がぞろぞろ連なっていたらしいが、今は一件がすぐ脇に構えていた。本殿に祭ったありがたい生姜をお守りのように売っている。


破魔矢みたいに生姜が

お供え用というわけではなく、すぐに食べちゃってもいいそうだ。いやいや、すぐに食べろって生姜渡されても…。

「何でもいいから、2種類の味噌を合わせて、そこに砂糖入れて付けて食べな、旨いから」


甘い味噌をつけて食べる

ぼりぼり。あ、へー、おいしい。小袋に入った小さい生姜を買うと、一塊り入りのところ、二塊もおまけしてくれた。どうも生姜屋のご主人、私がカメラをぶるさげているのを見て、祭りがあまり盛り上がっていないのを申し訳ながってくれているようす。


ぎゅうぎゅうオマケをつっこむご主人

「今年はのんびりしてるけど、来年はすごい、来年はここ千年記念だから。御輿も30キ以上出るし、日光から白い馬も来るから」

しきりに言ってくれてこっちこそ申し訳ない気分に。いえいえ、このだらだら感をかえって楽しませてもらってますから。大丈夫ですから。


地元の和菓子屋さんも買いに来てました
入れてくれた紙袋はすでに来年仕様



以前「こんにゃくえんま大祭」という東京の小石川にある源覚寺の祭りに行ったときも、まるで盛り上がりのない淡々とした祭り具合に拍子抜けした(コネタ「こんにゃくをやりとりするお祭り」)。

ひとくちに「祭り」といってもそんなにワッショイワッショイ大盛り上がりするものばかりじゃないのだ。ビバ、マイペース祭り!

せっかくなので、近所のお寺、増上寺も寄って帰りました


 

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