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コネタ


コネタ280
 
お守りと半吉と力石と釣り
神社の境内には猫がいることが多い。

トゥクトゥクバーン。こんにちは。

さて、最近若者の間で大流行の神社仏閣界ですが、先週取り上げたおみくじが神社仏閣界のミーチャンだとするなら、ハーチャンに当たるのはお守りということで異存はないでしょう。

今回はそんなお守りの中でも異色中の異色、「GPS搭載のお守り(商品名はお守り3<さん>、以下同)」という、映画『ブレードランナー』の冒頭に出てくるうどん屋(だっけ?)のオヤジも驚愕すること間違いナシのハイブリットなお守りを求めて、市ヶ谷は亀岡八幡宮に行って参りました。

(text by 宮崎 晋平

市ヶ谷駅から徒歩5分。テクテクアンヨをトボつかせ、ナガーイ階段をヒーコラスタタと昇ってみると、そこが亀岡八幡宮だ。

この亀岡八幡宮は、文明11(1479)年に鎌倉の鶴岡八幡宮を分霊(ある神社の祭神を分けること)して立てられたのだそう。享保10(1725)年の大火、昭和20年の空襲と二度も焼け落ち、現在の社殿に再建されたのは昭和37年のことだという。

チョイとシツレイな言い方だけど、神サマなのに二度も焼け落ちるなんてなんだかちょっとツイテナイ、 ヒジョーに人間味に溢れていて好感の持てる神サマだ。


こじんまりとした可愛い社殿。

それはさておき、さっそく件の「お守り3」を拝見させていただくことにしよう。意気揚々に社務所の中にいたオジイサンに声をかける。と、留守番だからよく分からないと、なんともタヨリナイ答えが返ってきた。 何度かの押し問答の末、オジイサンはどこかに電話をかけはじめた。

その電話を替わると、電話越しにいるのは恐らくこの神社の宮司だと思われる男性。その男性によれば、「おまもり3」のGPS部分はセコムの製品のため、この神社には置いていないとのこと。 この神社では中にいれるお守りのみを取り扱っていて、希望者には申込用紙を渡し、実物は後日発送になるらしい(後にセコムの代理店に確認してみたところ、本当は専用ポーチも置いてあるとの事だった)。

ウーム、折角のハイテク守りの実物を眼にする事ができないなんて、こいつはチョット残念だ。が、そこはさすがの八幡サマ。他ではオイソレと見られない、一風変わったお守りが、亀岡八幡宮には用意されていたのデス。


ジャーン!! これが市ヶ谷亀岡八幡宮オリジナルの「ペット護符」でR!!

こちらはペット用の特製お守りホルダー。
これは犬とかの首に巻くバンダナ仕様お守り。

ペット用の護符だけでもジューブン珍しいのに、ホルダータイプやバンダナ仕様のモノまで用意されているとは、なんともイキな計らいだネ。
さて、折角神社に来たんだから、とりあえず神社仏閣界のミーチャンであるおみくじを引くのを忘れちゃいけない。ということで、サッソク引いてみることにした。
さて、その気になる結果はコチラ。




…………。半吉なんて初めてみたが、ほとんどの事柄について「半吉」だの「半よし」だのと書いてあるところからして、メンドクサイから適当なことを言っているとしか思えない。なんてイイ加減な神サマだろう。「そんなところまで人間くさくしないでチョーダイ!!」と、参拝の時にオネガイしてしまいそうだ。


だいたいアンタはナニやってんの!? よくみると薄ら笑いを浮かべているのも謎だ。

とりあえず、いくら文面を読んでも因果関係が掴めないイラスト(そんなトコロまでイイカゲーン!!)を拡大表示してみましたが、このイラストが象徴しているように、全体的に地味だけどそこが逆に味になっている、とってもステキな神社だネ。この神社には他にもいくつか素敵なシロモノがあったので、このままオフビートに紹介してみるヨ。


コレは力石といって、昔の人はこの石を持ち上げて力比べをしたそうだ。タイヘンな苦労だネ。
これは新宿区内では唯一の銅鳥居で、江戸時代の文化元年(一八〇四)の建立だそう。立派だネ。

モニュメント「花物語」。なんか境内の中に唐突に置かれていました。

ということで市ヶ谷亀岡八幡宮、いかがだったかな!?
個人的にはスバラシイ神社だと思うんだけど、コイツは文章にしたとき、ナンダカ物足りない感じになりそうだ。ソイツはちょっとコマッタコマッタ。さて、一体どうしたものだろう。

そんなコトを考えながら、神社を出てトボトボウロチョロしていると、一軒の看板が目に入った。

その看板を目にした瞬間、私は、亀岡八幡宮を上回る衝撃を読者諸君に与える為の、ある天啓を得たのである!!




ジャーン!! ご覧の通りのつり堀である。ここで見事タイリョウとあらば、ネタにもなるしナニガシかの景品ももらえるとみた。この妙案に、こぼれてとまらぬ ウヒウヒ笑い。そこで、生まれて初めてのつり掘り体験と相成ったのである(ちなみに熱帯魚が釣れるというワケではなく、販売店が併設されているのです)。


というわけで、サッソク釣り糸を垂らしてみる。大物が釣れるといいナァ。
さあ、開けゴマ!! って、段々自分でも書いていて意味が分からなくなってきた。

対岸の釣りを楽しむファミリーやアベックの姿がホンワカするナァ。たぶん「ホンワカ」の使い方を間違えているけど。

天気もイイし絶好の釣り堀日和だネ。とてもノドカな昼下がりだし、これでお魚がウマイコト釣れれば問題はないのだが……。


水面なのに、まるで水を打ったような静けさだナァ。って、ホントにごめん。もう謝るよ。

この状態がただひたすら続いていく。 ……俺、ほら、釣り自体初めてだし、釣れたところで魚とかヌルヌルしてて多分触れないと思うしさ。釣れなくても別 に「超OK!」って感じ?
しかし、釣り糸を垂らしているあいだ、 初恋の思い出から世界平和、ミネラルウォーターの値段の違いについてやこれからの生き方について等々、思考する機会をもつということが釣りの醍醐味のひとつかもしれないと思う程、本当に色々なことについて考えることができた。そしてそんな中でも一番考えたのが、今回の文章の落とし所についてである。

そして、長々と考えていたのが、あなたがここまで読んできた文章そのものになったのですヨ。

以上でオーシマイッ。……チーン。


いや、実家に住んでるんで、自分そういう感覚とかよく分かんないッスから。


 

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