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コネタ


コネタ291
 
ダチョウ、実食
お世話になります

デイリーポータルで過去にレポートした「ローメン」やローカルな「ソースかつ丼」が食べられる長野県伊那谷は、「如何物喰い(いかものぐい)の里」として小さく小さく知られている。ここで、ローメン、ソースかつ丼に続いて、絶賛売出し中の食材がある。

「ダチョウ」だ。

実は私、ここで18まで育っておきながら、ダチョウを食べたことがない。

ということで、実食してきました。

(text by 田中あずさ

ダチョウ、くーださーい
おお、これじゃこれじゃ

ダチョウ料理を出す店はいくつかある。今回取材するにあたって、商工会の方にどこがいいか聞いてみた。やたらと、語尾に「○○ねー」とつけるのが特徴の伊那弁で、丁寧に答えてくれる会議所の人。

「そうだねー。本に載せるなら、大きいところがいいかねー。なら、はびろ荘がいいんじゃないかねー。あそこはダチョウも飼っとるでねー。近くにおふろもあるでねー。(あるからねー)」

おお、はびろ荘なら、近くのおふろを利用しに何度も行ったことがある。でもダチョウを食べるのは初めてだ。

「ダチョウ、くーださーい」。はびろ荘の玄関をくぐると、早くもダチョウ色があふれんばかり。


まねき猫のかわりにダチョウ
非常口はあちらダチョウ
たまごも大きいのダチョウ
いちおしはダチョウダチョウ

「今、お作りしとりますでねー。もう少し待っとってくださいねー。あ、コーヒーがあるで、お好きに飲んでくださいねー」。
(訳:今お作りしていますから、もう少しお待ちください。コーヒーがありますから、お好きにどうぞ)

・・・はびろ荘、いいじゃん。母親は「はびろは古いでねー」(訳:はびろは古いから若い人にはどうかしら)なんて言っていたから泊まろうとか思わなかったしお友達にも紹介しなかったけど、素朴でストーヴのにおいがして人が暖かく、てきぱきと楽しそうに働いている。いい旅館だ。

さて、ダチョウ料理ができたみたいだで、食べるでね。(訳:ダチョウ料理がきたようなので、食べます)


1品目 ダチョウの刺身
馬刺しがやわらかくなったような食感。ワサビとショウガでどうぞ。

2品目 ダチョウのタタキ
牛のタタキがやわらかくなって脂肪がなくなった感じ。もみじおろしでどうぞ。

3品目 ダチョウのステーキ
やわらかくて脂肪のない牛肉を軽くあぶった感じ。

4品目 ダチョウの唐揚げ
脂肪のない牛肉を揚げた感じ。

5品目 ダチョウのカツ
牛の脂肪がない部分を揚げた感じ。衣の油がコクを加えて、おいしい。

 

料理長の渡辺さん
すべての料理にやわらかいヒレを使用

以上の結果をまとめると、
「ダチョウは生で食べると脂のない馬刺しで、火を通すと脂のない牛肉」。
だということがわかった。
やわらかい食感は、すべての料理にヒレ部分を使っているからなのだそう。ヒレ部分はたいてい刺身などの生食に使う貴重な部分で、唐揚げやカツには使われないことが多いのだそうだ。

しかしどの料理も、ものすごくタンパク。ササミ以上にタンパクである。ジューシーな肉が好きな人にはちょっともの足りないかもしれないけれど、私は肉の脂身が苦手なので、おいしくいただきましたよ。
ダチョウは他の肉に比べて低脂肪の上鉄分やミネラルがとても豊富で、ダイエットにも最適なんだとか。「肉を食べたいけど脂が・・・」という人にも、オススメの食材である。

ごちそうさまでした

「ローメン」「ソースかつ丼」「ダチョウ」が伊那谷の三大観光グルメだとすると、その人気ランキングは「ソースかつ丼」がダントツだ。次位のローメンは、お店に行った時にひやかしで食べる程度。ダチョウに至ってはお店でも注文する人はほとんどいないし、家庭の食卓に上ることは皆無と言ってもいい。
ダチョウって、誰が食べているんだろうか。売れているんだろうか。儲かっているんだろうか。
ダチョウを名産として売り出している地域ってここだけではないらしい。ダチョウって食肉界のどのへんにポジショニングされるのか。そもそもなんでダチョウなの?
今回のレポートでは「ダチョウは馬刺しや牛肉みたいで、しかもヘルシーだ」ということがよく分かったけれど、おいしいだけに、知りたいギモンが載積される結果も招いてしまった。これからは事あるごとに、ダチョウ肉に思いを馳せてその未来を追っていきたい。

伊那にお越しの際はゼシ!ダチョウを食べておくんなんしょ。(訳:ダチョウを食べてくださいね)

はびろ荘

長野県伊那市西箕輪はびろ TEL.0265-78-6155(代)
http://www.city.ina.nagano.jp/habiro/index.html


 

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