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コネタ


コネタ315
 
マクドナルド氏の謎
この人のことで頭がいっぱい。

あの発見以来、
私はあの人のことで頭がいっぱいである。

あの人とは、右の写真の人。
そう、ドナルド・マクドナルド氏である。
本国アメリカでは、「Ronald McDonald」と表記する。ロナルド。発音的にはラナルドだろうか。

この人が江戸時代、長崎にいたっぽい。

いや、まさか。そんなことあるはずがない。
いやでも、あれはたしかに…

一所懸命、調べました。

T・斎藤

観光案内の地図

なんだこれ!?

私を困惑させた1枚の地図

長崎在住である私は、その日も街をぶらぶらと散策していた。道端に立っていた観光案内の地図に何気なく目をやってみると…

「マクドナルド顕彰之碑」

という文字があるではないか!

はぁ!?
マクドナルドと長崎に、何か歴史的つながりがあるとでも言うのか?

い、いや、それだけはありえないだろう。
私は以前「ファストフードが世界を食いつくす」という本を読み、マクドナルド社の成り立ちについては少しは知っているつもりだった。

でも、たしかにこの看板にはマクドナルドと書いてある…。

とりあえず、これは自分の目で確かめなければ! さっそく私は、現場へと向かった。

(ちなみに、「顕彰之碑」とは、隠れた功績を讃え、広く世間に知らしめる碑のことです。)

マクドナルド顕彰之碑

こんな感じで道端にたたずんでいる

深まる謎

左の写真が、問題のマクドナルド顕彰之碑。
そこには、黄色いあの人とは似ても似つかぬ知的な人物の姿が刻まれていた。

石碑にはこう書かれていた。


ラナルド・マクドナルドは嘉永元年(1848年)、日本に憧れて利尻島に上陸。
 長崎に護送されて、此の地で日本人に初めて英会話を教え、それが日本の英語教育の飛躍的な向上の基礎となった。


ラナルド・マクドナルド!
冒頭でも述べたように、 黄色の彼は本国アメリカではロナルドと呼ばれている。おそらく、それは「ラナルド」と発音されているだろう。つまり…

同一人物??

そして日本で初めて英語を教えた人だって?

石碑の横の説明ボードには、より詳しい説明が書かれていた。それを読むと…


ラナルド・マクドナルド(1824-1894)について

 ラナルド・マクドナルドは1824年北アメリカ・オレゴン州アストリア市で、スコットランド人を父、チヌーク族の首長の娘を母として生まれた。

 早くから日本に憧憬の念を抱き、24才のとき、捕鯨船員として日本近海に至り、北海道・利尻島に上陸した。ただちに密入国として長崎に連行され拘禁されたが、彼の誠実な人柄と高い教養を認められ、長崎奉行の肝入りで西山郷に英語教室を開いている。期間は半年ほどであったが、森山栄之助を含む14人の日本人に英会話を教え、我国の対外交渉に大きな貢献をした。

 また、帰米後、アメリカ議会に「日本社会は法治国家であり、日本人は礼節正しく民度も高い」といった、彼の陳述書が提出された。


チ、チヌーク族?と、ツッコミを入れたくなる箇所もあるが、ハンバーガーショップについては一言も言及されていない。
おいおい。なぜそれに触れない?

説明看板を読んで、私の疑問は解決するどころか、よりいっそう大きな謎へと進化してしまった。。


 

悩む。そして調べる

家に帰ってからも、どうにも心のモヤモヤが晴れない私は、本棚の奥にしまっていた「ファストフードは世界を食いつくす」を引っ張り出して読み返した。

この本は、マクドナルドに代表されるファーストフード店を批判する内容だが、その歴史的な生い立ちについても詳しく書かれている。それによると…

・マクドナルドは、1940年代にマクドナルド兄弟によって始められた。兄の名はモーリス。弟はリチャード。

・その後、レイ・クロックという人物が、マクドナルド兄弟のシステムを譲り受け、これを世界中に広めた。

・マスコットキャラは、最初は「スピーディー」という名前だった。が、これは同名のキャラが他にいたため「アーチー・マクドナルド」と改名されるものの、消滅。

・1960年代、「ボーゾーのサーカス」というテレビ番組のスポンサーとなったマクドナルドは、放映終了後、主役を務めた人物に衣装をつけて店頭に立たせた。この時、広告代理店によって、「ロナルド・マクドナルド」と命名された。

えっと、つまり…

日本にやってきたラナルド・マクドナルド氏とはまったく関係ないようだ。ちなみにスペルも、

ハンバーガーの彼 ⇒ Ronald McDonald
日本に来た彼 ⇒ Ranald MacDonald

ということで、微妙に違うこともわかった。
要するに、「よくある名前」ってことみたいです。

こうして、またひとつトリビアが誕生した。

日本で初めて英語を教えたマクドナルド氏と、マクドナルドのマスコットを務めるマクドナルド氏は、まったくの別人である。

へー…

むなしい。

今日もマクドナルドは賑わっていた。


 

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