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コネタ


コネタ434
 
焼酎大国の恐ろしさを垣間見た
盃に空いた穴。一体なんのために?

鹿児島といえば、芋焼酎のメッカ。

そんな鹿児島に住む友人の結婚式に先日行って来た。が、彼はメチャメチャ酒に弱い。
大丈夫だろうか?

あと、鹿児島らしい面白い盃をみつけた。

T・斎藤

私が座った席。一瞬「端」かと思った。
桜島をバックに。鹿児島らしいなぁ。

酒に弱い新郎

彼はビール一杯で爆睡してしまうほど酒に弱い。が、結婚式と言えば新郎が酒を飲むのは当たり前。ましてや焼酎王国・鹿児島である。酒が弱いからと言って許してもらえる雰囲気ではない。

容赦なし

私は遠慮してウーロン茶を注ぎに行ったりしていたが、周りはそんなことはお構いなし。お色直しのため退場しようと新郎が歩いてるところに酒を持って奇襲をかけている人までいる。
「そんなことしたら歩いている途中でダウンしちゃうよ!」
とハラハラしながら見守っていた。

結局、彼はなんとか最後まで無事だった。
人生の晴れ舞台で発揮された集中力。

がしかし、2次会会場に彼の姿はなかった。1次会(披露宴)終了と共にダウンしたらしい。
でも1次会だけでもよく持ちこたえたと思う。



飲まざるを得ない盃

翌日、市内観光していたところ、
いかにも焼酎王国らしい面白い土産ものをみつけた。


薩摩焼 ソラキュー
焼酎を注ぎ「ソラッ」と渡されれば置くにも置けずいやおうなくキューッと飲み干さざるを得ないので「ソラキュー」 と呼ばれている盃です。 (説明書きより)


薩摩焼 ソラキュー

底が尖ってる。

普通に置けない

2コ買って家に帰った。

この盃、底が尖っている。
そのため酒を注がれた状態では置くことができず、杯を空けざるをえないという寸法。

「酒を注がれて飲み干さずに置こうなんぞ絶対許さん」、という意気込みが伝わってくる。
新歓コンパとかでこんな盃持って近づいて来た先輩がいたらさぞ恐ろしいだろう。
こんな盃を生み出した鹿児島もまた恐るべし。

内部はこんなん

謎の穴

酒を注いでみた。

たしかにこれは下に置けない感じ。
自分で注いで置けなくなった。バカっぽいぞ。

ところで、写真を見てお気づきと思うが、この盃にはなぜか穴が空いていて、中指で穴を押さえていないとこぼれてしまう。それもあって、なおのこと飲み干すまで盃から手が離せない。が、ここまでやる必要あるだろうか?
底が尖ってるだけで充分では?

コロンブスの卵?

こんなことやる人がいるから?

左の写真のような裏技を使えば手が離せた。
あの穴はこれに対する防衛策だろうか?

お店の人に聞いてみた。

「2つ説がございまして、ひとつは指でしっかり押さえるように、もうひとつはお酒に弱い人がこの穴からこっそり捨てられるようにだそうです。」

捨てる用の穴。
一見怖い先輩が実は優しかったみたいなものか。焼酎王国の酒文化、奥深し。

穴ふさいだ状態
放出

捨ててみた

どんなもんだろうかと、試しにやってみた。

うむ。こぼせる。

微妙に指をずらす程度にすればバレないようにちょっとずつ出すこともできる。

お店の人はこうも言っていた。
「飲み会にこれ持ってったら盛り上がりますよ〜。」

たしかに、面白いかも。

焼酎王国で暮らす酒に弱い友人は、これからも苦労することが多々ありそうだ。が、よく見たらソラキューみたいに捨てる用の穴がちゃっかり用意されていたりするかもしれないので、まずは落ち着いて抜け道を探してみることだ。
そういえば、新郎新婦のテーブルの下にも捨てる用のバケツがちゃんと置いてあった。

ちなみに、新婦も「カルーアミルク半分で沈む」ほど酒には弱いとのこと。いい奥さんみつけたようで、なによりです。

携帯カメラにて

 

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