それらしく盛ってみる。麺の短さに目をつぶれば、これはもううどんと言っていいだろう。
あたりに漂うかぐわしい香り。そう、漂っているのはコーヒーのにおいなのだ。作業当初からずっと漂っている甘いにおいを察して、つゆを作る段階で微妙に方向転換。つゆをコーヒーにしてみたのだ。
新感覚のデザート気取り。パリのエスプリが効いている。
では実際に食べてみる。……もぐもぐ、うーん、うんうん、なるほど。もぐもぐ……。
うん、菜っ葉がうまい。
うどんらしく見せるためにコーヒーのつゆを承知で菜っ葉を入れてみたのだが、これが思いのほか違和感なく食べられる。今後わざわざコーヒーに菜っ葉を入れて食べようとまでは思わないが、思っていたより悪くはない。 |