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コネタ


コネタ493
 
お魚の街のコロッケは魚だった
マンホールは黒船

先日、家族と下田へ一泊旅行をしてきた。
下田といって、まず思い出すのはペリーだろうか。あとはやっぱり、魚と温泉か。

温泉にゆっくり浸かって、うまい魚を食べて、日常の煩わしいことやコネタのことなど、この際きれいに忘れてやろう、そう思っていた。

ああそれなのに。見つけてしまったのです。コネタハンターの心を刺激する、下田にしかないキュートなコロッケを。

高瀬 克子

金目鯛の水揚げ日本一の街

下田に着き、駅の中を少しブラブラした。駅構内のみやげ物売り場だというのに、目に付くのは魚ばかり。なかでも金目鯛の水揚げ量は日本一ということで、金目の「ひらき」や「味噌漬」が考えられないほど大量に売られていた。


駅構内の売り場でさえコレです
「加工品は近所に配ろうかねぇ」(母談)

こんなものを見せられたら、おみやげは金目に決定だ。なんてウマそうなんだろう。ああ粕漬け、ああ干物。

だが、おみやげを買うのは帰りでいい。まだ来たばっかりじゃないか。ということで、旅館の送迎バスが来るまでの間、下田の街をブラブラすることにした。…と、魚屋の店先にこんなものを発見。


金目コロッケ?
きんコロ、と書いてある

 

さかな型。なんてカワイイ
ところどころ、赤いツブツブが入ってます

名物だった

「金目コロッケ?」と、思わず立ち止まる。

先を急ごうとする母や従姉妹に「ちょっとごめん、ネタが、コネタが、あの、これ多分コネタになりそうなんだけど…」と気弱に説明、少し待ってもらうことにして、コロッケを買うついでに店の人に少し話を聞いてみた。

―― これって下田の名物なんですか?
「そうです。いろんな店で売ってますよ」
―― へええ。それは魚屋だけで?
「いえ、飲食店でも売ってるし、それぞれの店で味も形も違うんですよ」

なんと、店ごとに違うのか。

歩きながら、ソースをつけずに頭からガブリと食べる。…普通のコロッケよりもサッパリしていて、おいしい。中身はジャガイモと金目の身のみだ。他の店のはどうなんだろう。

さっそくチェックしたかったが、この日はもう街探索をする時間がなかった。金目コロッケ巡りは、明日に持ち越すことにしよう。

 

黄色いのぼりが目印らしい

翌日、昨日の店の人に「金目コロッケを扱ってる店には黄色いのぼりが立ってますよ」と言われたのを思い出し、黄色いのぼりを探して街をウロウロすることに。


目が悪いくせに眼鏡もコンタクトもしないので「ぢ」ののぼりに反応してしまった
あ、今度こそ本物の黄色いのぼり発見

いい形態の店ですね

ここも魚屋さんだ。でも、中で食べることも出来るらしい。こういう形態の店って、魚が名物の街にはよくあるんだろうか。それとも観光地だから? 

「揚げたてをお出ししますので5分ほどお待ちください」と言われ、店内でじっと待つことに。待っているあいだ、母が嬉しそうに金目を大量に買い込んでいた。

そうこうしているうちに、コロッケが揚がった模様。

やっぱりコロッケ丼は異色。ああ、素直に「地魚茶づけ」が食べたいが…
壁のサイン。海の男、加山氏もコロッケを食べたんだろうか。それとも茶づけか

コロッケの代金を払いながら、店の人に話を聞く。

―― あの、金目コロッケって、いつ頃から名物なんですか?
「出来たのは4年前かしら。でも地域的に名物にしていこうって運動が始まったのは去年くらいからですね」

どうやら、まだ新しい名物らしい。たしかに以前は金目コロッケなんて影も形もなかった。…考えてみると私が下田に来るのは、ほぼ8年ぶりだ。知らなくて当然である。

ん? この丸いヘコみは目?
歩きながらモグモグ食べる。うまい。味は基本的に昨日の店と同じでした

さらに歩くと、中華料理屋の店先にも黄色いのぼりを発見。


中華のお店が作るコロッケって、どんな?
なんとキンメ餃子まであった

さっそく店内を覗いたのだが、中はお客さんでにぎわっており、とても「コロッケひとつ下さいな」
とは言えない雰囲気である。
ラーメンを食べるついでに頼もうかとも思ったが、旅館の朝ごはんを食べすぎたため、そんな腹の余裕などどこにもない。

…残念だが、先を急ぐことにする。

さらに商店街をウロウロしたものの、他に黄色いのぼりを見つけることは出来なかった。もしかしてコロッケの店は、車でしか行けないような場所に多いのかもしれない。残念だけど今回はここまでか…と思いながら駅に戻ると、なんと駅の向かいの店に黄色いのぼりが!


駅の反対側にありました
喫茶店と定食屋の中間のような店。各テーブルには懐かしの、お金投入型星占い機

帰りの時間が迫っているなか、1人で店に入り慌ただしく「コロッケ2個ください! 持ち帰りで!」と注文。5分ほどかかるというので、コーヒーを飲みながら待つことにした。

厨房からは、店のオバちゃん達がワイワイ言いながら作業をする声が聞こえてくる。――なんだか落ち着くなぁ。将来はこんな魚のうまい街で、のんびり店でもやりたいなぁ。そんな逃避じみたことを思いながらボーッと待っていたところ、大きな声で「お待ちどうさま!」と声をかけられた。びっくりした。


カ「なに写真とるの?」とポーズをとってくれた、オバちゃんズ・オブ・オバちゃん。感謝

急いで駅に戻り、帰りの電車に乗った。ビールを飲みながら、買ったコロッケを食べる。ここのコロ
ッケはジャ
ガイモの他にタマネギが入っていて、味も濃い目。うーん、ビールとよく合う。うまい!


形はやっぱりサカナ型でした
ビールがすすんで困ります

またいつか食べに行きたい

次に下田を訪れるのが何年後になるか分からないが、その時はもっとたくさんの店でコロッケを食べられるんじゃないかと思う。とにかく金目コロッケ運動は、は、まだ始まったばかりなのだ。

下田以外にも、私の知らない名物料理が日本中至るところで生まれているんじゃないかと思うと、またどこかに行きたくなってきた。

さて、次はどこに行きましょうかね。

魚の街の一風景

 

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