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コネタ


コネタ499
 
ひとりニットアウト

ニューヨークあたりで「ニットアウト」というイベントがあると聞いた。フリマや公園に人々が集まり、ひたすら編みものをするという。

イベントっつーか編みものなんてそれぞれ勝手にやれば?という気がしないでもないのだが、編みものが大好きな私にとっては見逃せないムーブメントだ。

(text by 田中あずさ

晩秋のヒルズで、首にひと巻きできるくらいのかわいいマフラーを編んだ。
当日の写真をなくしたので、写真は公式サイトから引用。

日本でもブームの兆し?

そういえばすっかり忘れていたのだが、昨年の10月あたりに六本木ヒルズでも「ニットアウト」が開催され、私も参加していた。

当日はけっこうな人出で、小学生くらいの子どもからご年配の夫婦までが集まっていた。ヒルズのアリーナでビールを飲みながら、白い小さなマフラーを編んだ。

 

花見の準備万全な上野公園で編みもの

週末の上野公園はたくさんの人出があった。桜並木にはちょうちんやゴミ箱の準備もすっかり整っており、歩いているだけで春めいた気分になる。

しかし今日編むのは、冬用の厚いニット帽だ。正月に編み始めて放置したままになっていたものを、この機会に編み進めようと思う。


 

編みます、編みます

今回編んでいるニット帽は縄編みの模様が入っており、編み目を間違えたら修復がとてもたいへんだ。同行してくれた友人との会話もそこそこに、集中して編むあむあむあむ。


田中: 「無口でごめん。ちゃんと聞いてるから、気にせず話しかけてね」
ナカオ: 「・・・うん。編み物してるあいだって、何考えてるの?」
田中: 「・・・そうだなー。次の編み目のこと?ほら、歌手がよく『歌ってる時は次の歌詞のことを考えてます』とか言うじゃん。あんなかんじ?なんちって」
ナカオ: 「・・・ふーん」

編みものに集中していたので、まわりにどんな人がいて何をしていたとか、あまり覚えていない。手先を見ているので外の開放感を感じるわけでもない。正直、風がふいたりおしりが痛くなったりして、家で編んでいるより明らかに不快だ。

・・・ニ、ニットアウトってなにが楽しいんだろう・・・。私は外より家で編みたいよ・・・。


田中: 「今日、ナカオさんがいなかったら、速攻やめてたよ」
ナカオ: 「えー?」
田中: 「外は好きだけど、編みものとは似つかわないっていうか・・・ちまちましたことをやるのに、外って向いてないのかも」
ナカオ: 「・・・ふーん。たしかに編みものってちまちましてるよね」


同行してくれた友人のナカオさん
編みすすむと同時に酔いもまわる

花粉、寒さ、そして尿意

しばらく編んでいるとくしゃみが止まらなくなった。

花粉、寒さ、ビールばっかり飲んでいたので尿意もやってくるぞ。そろそろ今日のニットアウトはやめよう。ムリしてやるのは編み目を間違うもとになるからね。と言い訳をしながら、本当は外で編むのはもういいや、という気持ちでいっぱいだった。



そしてまた編む

上野公園から根津の喫茶店へ移動した。暖かいところへ移動して落ち着くと、また編みたくなってくる。

田中:「母親世代って、手芸率高くなかった?編みものとかレース編みとか洋裁とか。なんでみんな手芸やってたのかな。モノがなかったから自分で作ってたのかな」。
ナカオ:「ウチの母親もかなり手芸やってたけど、『手芸は余裕がある女性ができる“たしなみ”なのよ!』って言ってたよ。専業主婦やって食べていける人のヒマつぶし?つーか」。
田中:「・・・あー。あたしも手芸やってると『ヒマなんだね』って言われるよ。ヒマでもないし、仕事ばっかりして、しかもビンボウなんだけどね」。
ナカオ:「小さいころ、旅行の前になると母親が徹夜で姉妹4人分のワンピとか作ってくれたりしたよ。帽子とおそろで」。
田中:「えええええ!それはかなりのたしなみっぷりだね!でも徹夜って、余裕があるのかないのか分からないかんじだけど・・・」。


 

だいぶ編んだ

ナカオ:「おおお!かなり編んだね」。
田中:「ねー。がんばれば今日中に完成するかもね。編みものかどうかはわかんないけど、また外で何かしたいね」。
ナカオ:「屋内モノを外で、っていうのがいいよね」。
田中:「縄をなうとか、パズルとか、写経とか」。
ナカオ:「ちまちましてんなー」。

帽子は、その翌日完成しました

まとめと考察

編みもの(手芸)は鶴の機織りと同じで、出来あがったものを自慢するのが楽しいのだと思っている。過程はまちがえたりやり直したりと、あまりキレイなものではないしな。

そんなわけで、ニューヨークでブームだというニットアウトは、何が楽しいのだろうか。結局わからなかった。今回はひとりで編んでいたので、同じように編んでいる人がたくさんいればまた楽しいのかもしれないけど。本場のイベントとやらに参加してみたいぞ。


それから、もう少し暖かくなったら、「外でちまちましたことをする」イベントを開催したいと思います。パズルでも写経でもエッグアートでも、自分の好きなちまちました趣味を外で勝手にやりましょう。で、最後にそれを見せびらかし合いましょう。ホントにやるよ!


 

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