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コネタ


コネタ505
 
ごはんですよで海苔作り

みなさんにも「これがあればご飯何杯でもいける」ってものがあるだろう。
いわゆる飯の友ってやつだ。
私は「ごはんですよ」があればおかずはいらないね。

そんなマイラバー「ごはんですよ」、どろりとした中に海苔の固形物が残っている。
これ、水に溶いて干したら、海苔ができるのでは?と、当然の疑惑が浮かんできたわけだ。

やるっきゃないでしょう。

佐倉 美穂

1瓶ほとんど使った
海苔の形に広げる

仕込み

それでは早速「ごはんですよ」を鍋に移し、水を加えてゆるくする。
こんなに豪快に「ごはんですよ」を器から出したことはない。
これだけあればご飯どれくらいいけるだろう、おにぎりの中に入れてもいい、味が濃すぎないようにうまくバランスをとりたいところよね、等つらつら考えながらの作業だ。

ゆるくなった「ごはんですよ」を、巻きずしを作るのに使う巻き簀に乗せて干す。
程よいゆるさの「ごはんですよ」は、隙間からこぼれることも、斜めにした巻き簀から流れ落ちることもなく、理想の形をとどめていた。

今日は天気予報でもばっちりの快晴。南向きのベランダで干します。

 

じっくりと干す

それでは観察開始。地味に変化してゆきます。


日当たり良好
潤い満点

0時間経過
当然べちょべちょだ。下に液漏れしている


1時間経過
2時間経過

1時間経過
端は乾いてきたが、それ以外はまだまだジューシー。

2時間経過
固まりつつあり、爪楊枝でひっかくと抵抗がある。
表面を指で触っても付いてこないくらいには乾燥してきた。
でもちょっとぺたぺた感があり、まだ海苔にはほど遠い。

日が当たらなくなったのでベランダ内で場所移動する。


3時間経過
4時間経過

3時間経過
あまり変わらない。表面のぺたぺた感も同じだ。
触れた指から香ばしい匂いがする。
ああ、これはせんべいだ。ごはんですよはせんべいの香りだということに気づく。

4時間経過
表面に海苔の光沢がでてきた。
端はかなり薄くなり巻き簀の糸も浮き出ているが、厚みのあるところはまだぶよぶよ感がある。
触れた時にぺたぺたするのはしょうがないのか。佃煮だもの。

なんて相田みつを風に言っている間にこの場所も日が当たらなくなったので、元の位置に移動する。
当然移動先も完全に日陰になってしまっている。海苔を干して実感する地球の自転。

5時間経過
変化はもう見られない。

もう日陰で干すのは諦めた。こうなったら大きく動くしかない。
海苔といったら海沿いで風に当てて干しているイメージではなかろうか。幸い海は近い。海、行くぞ。

 

常に日に当てて。
何をやってるんだワン

海へ移動

行く道すがらの日光ももったいないので、川沿いの散歩ロードも巻き簀を捧げ持って歩く。

すると散歩中の犬に吠えられた。かわいいコーギーだ。
飼い主さんに「海苔作ってるんですか」と話しかけられる。なんてわかりやすい会話の糸口を持っているんだろう、私。

海が近くなり、ぷうんと潮の香りがした。
やはりそうだ。ごはんですよは海の香りじゃなく、香ばしいせんべいの香りだ。
ごはんですよエキスを薄く焼いた餅に塗ったらおいしいせんべいができそうだ。


砂浜を歩き、適当に座って日と風に当てる。
海辺に座るとなぜ哀愁が漂うのだろう。海苔を乾かしているだけなのに。


やはり常に日に当てて。

日も落ちてきて、あまり海の威力は発揮されなかった。
帰宅し、部屋でヒーターの風をあてること2時間後、ようやく巻き簀からはがせた。これはもう海苔と呼んで差し支えなかろう。

やはりねっとり感のある海苔ができあがった。粘着質という言葉がぴったりだ。
濡れ落ち葉ってこんな感じだろうか。


ねっとりべっとり

そのままの海苔を食べてみた。うん、これは味の濃すぎる味付け海苔だ。
というか固形ごはんですよそのものだ。
味はさらに凝縮されたような気がする。

その海苔を使っておにぎりを作った。コンビニおにぎりは海苔がパリパリとしっとりとを選べるが、これはデフォルトでしっとりだ。


巻き簀模様の海苔おにぎり

さて、試食。
ご飯に塩も混ぜず具も入れなかったが、味の濃すぎるおにぎりになってしまった。まあ、ごはんですよ1瓶をおにぎり1個に塗りたくって食べているようなものだから当然の味だ。しょ、しょっぱい…。

やはり「ごはんですよ」はほかほかご飯に適量乗せる方が美味しいですが、海苔が作れたという満足感でしょっぱいおにぎりも美味となるのです。努力と時間という調味料で!


 

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