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コネタ


コネタ526
 
ウェブ古書店って儲かるんですか?

ウェブ古書店をやっている友人が、半年前くらいにそれと並行して店舗を持った。・・・のはいいものの、あまり店が繁盛している様子がない。たまに手伝う店番の時も、お客さんの数はまばら。高価な本がバーンと売れるわけでもないし。

高い家賃出して店持つこと、なかったんじゃない?ぶっちゃけ採算あってんの??

ある日の店番の帰り、酔ったいきおいで失礼な質問をバシバシ投げかけました。

(text by 田中あずさ

☆新しい本のアイデア売ります☆

すみません。いきなり超私的な宣伝です。だって店番の当日も客数がさえなくて、一日の売上げが6000円程度だったんだもの。週末なのに。
これは持ち上げじゃなく、いい本揃ってますよ。見ているだけでも楽しいです。店主曰く「よい本を、安く、手軽に」がモットーだそうですわ。サブカル・芸能・デザイン系(それ以外のジャンルが掘り出し価格になっていることも!)に興味がある方は、ウェブを覗いてみてはいかがでしょう?お近くの方は、下町散策のついでに古本屋めぐり、なんてどうでしょう。



「たのしい古本屋さん オヨヨ書林」

113-0031
東京都文京区根津1-1-25 第二静寿荘ビル1F
tel/fax:03-3822-2955
営業時間 12:00-21:00
年中無休
http://www.oyoyoshorin.com/

ごめんなさい。宣伝は終わりです。でも楽しいですよ、ホント。

 

 

店番をしながら

休日の不忍通りは人通りも多く、下町散策を楽しむ人たちで賑わうスポット。でもオヨヨ書林は静かで、外のにぎわいが全くウソみたいだ。古本屋の独特な香りの中、ひとり店番。


売れた本の名前と値段、買ったお客様の性別をメモ
覗いてくれる人はいるものの、お買い上げは伸び悩み
宅急便!人がくるのがうれしい
明らかに売れ行き以上の古書を仕入れ

宅急便のやりとり、道を尋ねる人の受け応え(地域密着のお店は、こういう対応ひとつがとても大切なんだとか)、たまにお買い上げいただく本の清算など、細かい作業はあるものの基本はヒマ。一日店番をしている間に、帽子がひとつ編みあがってしまった。

閉店の時間が近づくと、市場に行っていたという店主が帰ってきた。一日外まわりで疲れた顔つきの店主を見ていると、狩りに出かけた男を暖かく迎える女の気分だ。うそだけど。
少ない売上の報告をして、飲みにでかけることに。


オヨヨ書林店主の、ゆうほくん(有邦と書きます)。
合流した、友人のナカオさん

古本屋って儲かるの?

合流した友人のナカオさんと三人で飲みながら、古本屋のことをいろいろ聞いた。彼とは学生時代からの顔見知りではあったが、学生を卒業すると同時にウェブ古書店を開いたと知っても、その理由なんか聞くことはなかった。



田中:「ゆうほくん、なんで古本屋やろうと思ったの?」
オヨヨ:「いや、ほら、歳とってからヴィトンのバッグに古本詰めて温泉旅館で仕事、みたいなのにあこがれて」。
田中:「ふーん。バカだねえ。でも温泉旅館で仕事、はいいよね。それでウェブなわけ?」
オヨヨ:「そのころ(10年前くらい)からウェブ古書店がちょっとブームにもなったってのはあるけど、やっぱ店舗持つお金ないってのもあるし」。
田中:「そうかー。じゃ、店舗ってうれしい?」
オヨヨ:「いや、店舗が持ちたかったわけじゃなくて、なりゆきなんですよ。たまたま根津に古本屋仲間の物件があって、在庫も抱えてたし、それでなんとなく。でも始めてみると意外と地元密着のお店、みたいになって最初は驚いたけどね」。
田中:「お土地柄もあるかもね。(根津・谷中・千駄木界隈は、東京の下町なので地元の愛着&密着度が高いのです)でももともと温泉旅館でひとり仕事したかった人が店持っちゃって、窮屈に感じることはないの?それにぶっちゃけ本の売上げないし、店舗の家賃払ってるほうが高いんじゃないかと思うんだけど」。
オヨヨ:「・・・いやー、実際今んとこ売上げって、店舗:ウェブ=4:6ってかんじなんだよね。実際店を毎日同じ時間に開けるだけでもツライよ。バイトさん頼んで休んでもいいんだけど、バイト料稼がなきゃって思うと逆にストレスだし。休みないよ」。
田中:「あああ・・・。ますます店を持つ意味がわからない。つーかゆうほくん、まゆ毛抜けてるよ!!つ、疲れてんのね・・・」。


暗がりでよくわからなかったが、友人のまゆ毛が抜けていることに気づいた私は相当びっくりした。て、店舗手放したら??


オヨヨ:「うーん、店舗も悪くないよ。拠点があることの安心感っていうか・・・。前は自宅も事務所も一緒だったから生活の区別がつかなかったけど、今は家も別に借りてるし」。
田中:「あー、それはわかる気がする。私、家で全然仕事できないから、フリーランスで自宅勤務の人とかまじで尊敬するもん」。
オヨヨ:「店舗いいなとか思ってさ、こんど西荻窪にも店持とうかってハナシがあんの。古本屋仲間で。いいでしょ。西荻いいよね。古本屋やるにはいい街だよ」。
田中:「・・・バカじゃない??今のお店どうすんの?儲かってないんだし」。
オヨヨ:「あ、じゃあ田中さん今のお店まるごと買わない?本の売り方教えるからさ」。
田中:「・・・やめとく。私もお金ないし」。


まとめと考察

もちろん儲かっている古本屋なんて山ほどあるんだろうが、とりあえずオヨヨ書林はぜんぜん儲かってなかった。でも、それは彼の店や本が悪いからでは全くない。その後の話や彼の本の買い方(ワタシはもちろん古本のことなんて何も知らないけど)を見ていると、いい本を買ったり売ったりすることが楽しくて、つい市場で入札してしまうから赤字になるのだ、と思った。

根津の本屋を買わない?と冗談でも言われた時、実はちょっといいなと思った。オヨヨ書林に置いてある本に囲まれて店番するのは、けっこう楽しいからだ。

でもワタシが買ったとしても売れなくて倒産して負債をかかえるのが関の山なので、どうかみなさん、オヨヨ書林で本を買ってあげてください。


 

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