装置の材料は何でも揃う秋葉原で
秋葉原。有名な電気の街だ。家電を買いに行ったことのある方も関東圏なら多いだろう。
しかしそこは奥深いツウの街でもある。
少し足を踏み入れれば、そこはまるで暗号のような商品名がずらりと並ぶ店構えだ。
「月刊むし」という昆虫雑誌を前にした時と同じような、「いろんなものに需要はある」という感慨に耽る。
そのような商品達を前にしていると、「私もテスターくらい持ってないとダメかな」という気分になってくる。何がどうダメなのかはもうわからない。あれは秋葉原マジックだったのか。
そしてこの街には不思議なルールがあるように思う。いちいち驚いていてはいけないよ、といいうような。
たとえ自販機で今はもうほとんど見ることもないマウンテンデューが売られていても、そのジュースのゴミ箱の前にSEGAサターンが捨てられていても、秋葉原ではそれが常識なのだろう。
パーツ街に流れるLOVE PSYCHEDELICO。「ゆうこりんの方がしっくりくるなぁ」と思いつつ、買い物終了。
制作開始
さて今回の実験は、単純に太陽電池を携帯に貼り付けて、発電しながら通話をしてみようというもの。
必要な部品も
・太陽電池
・携帯充電コード
・携帯電話
だけ。
簡単な装置の作成だが、今回はコードと太陽電池の接続にハンダを使う。
実は私はこれが初ハンダだ。ハンダを使ったことがある女性って、少し憧れないだろうか。それがとうとう私にもチャンスが巡ってきたわけだ。上昇気味の動揺を抑えて慎重に操作する。
ハンダはじゅくじゅくと溶け、割ってしまった体温計から出てきた水銀のようになる。
それが流線型になり、瞬時に固まってしまうのだから目を離せない興味深さだ。しかも通電する。美的かつ技術的。
一度水銀のプールで泳いでみたい、と長年思っていた私には面白くてたまらない。
まあ、そんなプールで泳いだら、多分死ぬだろうけど。
ハンダにも徐々に慣れ、まるでティファニーのティアドロップのような美しい形を作れるようになった。
記念に身に付けたいくらいだ。 |