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コネタ


コネタ609
 
田んぼの妖精・ホウネンエビを追う
妖精、まだあ〜?

みなさんはホウネンエビ(豊年蝦)という生き物をご存知でしょうか。

甲殻網無甲目ホウネンエビ科ホウネンエビは、英名ではFairy Shrimpと呼ばれ、妖精エビと言われています。
クリオネが流氷の天使なら、こちらは田んぼの妖精です。

11対の足を高速で動かしながら逆さまになって泳いでいる彼らは、水質のよい水田にだけ現れるちいさなエビのような生き物。
しっぽはオレンジ色で二股に分かれ、ボディは無色透明で見つけにくく、地方によっては豊作の言い伝えを残す、縁起のよい生物とされています。

「ホウネンエビが出たよ〜」
かつてのご近所さんの言葉に誘われて、昨年まで住処にしていた埼玉の地を踏みました。

はたして私は妖精に会えるのでしょうか。

(text by 土屋 遊

謎と伝説のホウネンエビ

私がはじめてホウネンエビの存在を知ったのは、3年前です。
最初に目撃した時は、近所中で 

「未確認生物を発見した!」

と大騒ぎになり"どうぶつ奇想天外"に投稿したほど町内一同コーフンの渦に包まれたものです。

テレビ局が来たら誰が案内するか。
第一発見者は私だ。いや私だ。
ホウネンエビで町おこし。
ダイエットしなきゃ。
など、とにかく浮き足立っていました。

ネットで調べると、

・江戸時代、大量発生した年は豊作になると言うのが名前の由来。
・卵は土中で何十年も眠り続け、水質などが適した環境になると発生する。
・通常20mm、最大50mmの目撃情報もある。
・ミジンコやシーモンキーの仲間。
・東日本より西日本に多く見られる。
・地域によっては「たっきんぎょ」「なえきんぎょ」とも呼ばれている。

ホウネンエビは数々の謎と伝説に包まれていたのです。

 

採集一家のお宝カブト・セミ標本
うわああ目が回るう〜

採集マニアご子息にガイド依頼

あの小さな妖精をまた見たい。
できれば採集したい!

採集と言えば、かつての隣人、ユウト君ファミリーのコレクトっぷりはただならぬものがありました。

大黒柱のお父さんが大の甲虫類好き。
夏休みの自由研究では毎年飽きもせず、なぜか子供たちそっちのけで昆虫採集の旅に出かけられています。
カブト・クワガタを筆頭に、とんぼ、貝、そして最近では虫キングトレーディングカードもリストに加わっているというコレクターご一家。

私どもはすでに都会人ですし、せっかくですから、末っ子ご長男ユウト君にガイドをしてもらうことにしましょう。

 

これが妖精採集セットです
俺についてこいや。G.F.のなっちゃんと……
ここ、見てみ

せんせいは小学二年生

いつも前髪の一部がやたら長かったユウト君に会うのは一年ぶり。
かつてはデパートにでかけると、子役モデルによくスカウトされていたイケメンでした。
久しぶりに会ったイケメン幼児は、なぜかドラえもんに変貌していましたが、かろうじて前髪の一部が長いことでユウト君だと判別することが出来ました。

ユウト先生、よろしくお願いします。

ユウト先生は、体長約20mmの田んぼの妖精、ホウネンエビを捕まえるのになぜか「するめ」と釣り竿、そして網を片手に用意万端で私たちを待ちかまえていらっしゃいました。

「せんせい、」

と呼びかけると、とても小学校二年生とは思えないほど大きく鼻の穴をふくらませています。
(これも得意になった時の、なつかしい表情です)

先頭をきって歩く先生でしたが、田んぼではなく、なぜかドブ川に向かっています。

せんせい、ドブ川に妖精はいないと思います……。

 



ん?じゃあこの辺かなあ

場所移動を促せて、

「いたいた、採ったかな……」

と思っていると……

だからそこはドブ川!
オーバーなのはお姉ちゃん譲りです

田んぼ隣接のドブ川。
話になりません。

「だってこれくらいおっきいザリガニがいたんだもん」

と言い張る先生。

まさかドブ川に伊勢エビが生息しているのでしょうか。

川にマンボウやミシシッピーワニが出没する世の中ですから、万が一、とも限りません。仕方ないので、

「伊勢エビが捕れたらママに言わないでよ、私にちょうだいよ」

と念を押してしばらくはザリガニ採りに専念して満足してもらうことにしましょう。

 


「採ったよ〜」
ザリガニ。


「採ったよ〜」
……ザリガニ。


大漁のザリガニ。
今日のユウト家ディナーはザリガニフライでしょうか。

 

でも実は、せんせいはザリガニのハサミが怖かったりします。
ユウトをからかうことに関しては天下一品である息子のオンに頼んで、強行作戦で妖精採集にもっていってもらうことにしました。


一番イキのいいザリガニフライを……。


背中に押しつける!
「わ!やめてよー」
「早くホウネン採れよ〜!!」


「ひゃああ!」
まだやってる……。

しょーがねえなあ……

オンの協力により、やっとやる気になったようですが……

つかまえたのは、カエルにおたまじゃくし……。久しぶりなのでやめようと思っていましたが、一年ぶりにわたくしの罵声が田園風景に響きわたりました。

「おまえらっーーーーーー!!!」

2人はいそいそと田んぼをのぞき始めます。

こんにちは、おたまじゃくしです
こんにちは、その親です

ついに妖精と……

ついに田んぼの妖精、ホウネンエビを捕まえることが出来ました。
何本もの足を使い、うっすら緑がかった透明なカラダでゆらゆらと動き回っていますので明らかにしらすではありません。

せんせいのおかげで、久しぶりにザリガニフライもカエルもおたまじゃくしにも、ついでにヒルにも出会えて楽しかったのですが、さすが妖精、彼らほどおいしそう幻想的な生き物はいませんでした。
旨そうですなごみます。


こ、これが妖精!?
まぎれもない妖精です


ちゃんとした画像、拝借バージョン

オマケ画像

あああぁ!


せんせい、野グ○!?

と思ったら犬のフン。ナイスポジション。

 

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