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「ムツゴロウ王国」はもう来てた
よーしよしよしよしよしよしよしよしよし

もうどれくらい前になるだろうか。「ムツゴロウ動物王国」が移転するというニュースが話題になったのは。覚えているのは北海道特有の寄生虫、エキノコックスが原因で移転に問題が生じているという事だった。それ以来音沙汰がない。そのことをふと思い出し、検索してみた。

もう来てた。

2004年7月28日オープンというからもうすでに一周年を迎えている。住んでる市の隣に越して来てたってのにまったく気づかずじまいだ。自分の知らぬところでムツゴロウさんは暗躍していたのである(暗躍ではない)。

北海道なら躊躇するが東京ならなんとかなる。
ということで行ってみることにしました。

(text by センキョー

みっちり

集え!ムツゴラーたち!

東京といってもあきる野市にある。サマーランドと優香の出身地としておなじみだ。いわば市の才色兼備といっていいかもしれない。都心からだと電車、バスを乗り継いで二時間くらいかかるかもしれないが、東京であることに偽りはない。東京でもドイツでもない「東京ドイツ村」に比べれば正直さでは勝っていると思う。

駐車場に入ると車で満杯である。流行ってるじゃん!(※その理由は後に判明します)

1700円を支払って入国する。

 

読めません

王国を彩る写真、イラスト、ポエムたち

王国内を歩いているととにかく目に付くのが展示パネルだ。そこかしこに飾られている。かしこまったものではなく、市販されているプラスチックダンボールに写真を貼り付けマジックでキャプションをつけるというお手製のもの。ほのぼの感がある。

難点があるとすれば時が経つとともに色あせが生じてるということだろうか。写真のほうはなんとか原型をたもっているが、文字のほうは解読不能な状態に。

一年でこの状態だとすると三年後ぐらいに来たらただのプラスチックダンボールがズラーっと陳列されているというシュールな光景になるかもしれません。

やってます

ムツゴロウさん自身が選出したという絵やポエムも飾られていた。王国の頂点の人(北朝鮮でいえば金正日)に選ばれるんだから、本人にとってもすごく光栄なことだと思う。

絵のほうをよく見てみると二頭の馬の絵が書かれていた。右上の馬の周りに何か固形物が落ちている。絵のタッチがかなりラフな為断定は出来ないがおそらくこれはウンコではないだろうか。よく見れば尻尾の下のところに肛門らしきものが確認できる。

他にも入賞には及ばなかった作品が展示されていたが、ウンコを描いた作品はこれだけだった。まさに排便で手にした栄光と言えるだろう。

これを描いた子供が気をよくして、受賞以降描く絵全てにウンコが描かれていたりすると二重に嬉しい。

 

いざメインステージへ

その名の通り広場である。王国の1/3を占めるメインスポットと言えるだろう。「青」は青空のことだろうか。緑のひろばのほうが自然っぽくて良い気もするが、きっとなにか深い意味があったりなかったりするのだろう。

ドッグカートや犬の大運動会、日によっては王国内のみなさんによるコンサートもあるという。非常に和気藹々としたフィールドのようだ。

要するに広大な敷地を生かして動物達と戯れることができるわけだ。いざ戯れ!



上から二段目が青のひろばスケジュール

いない。犬もドッグもいない。

それどころか人の影もほとんどない。虚無空間。満杯だった駐車場はサマーランドの客だったらしい。ごめん、うっすら気づいてた。

どうやらイベントのある時間以外は集まらないようだ。そういえば入場する時にスケジュール表をもらっていた。改めて確認してみると、次にこの広場でイベントが行なわれるのは5時間後らしい。・・・5時間後って!!

きっとキツキツのスケジュールで無理矢理イベントを開催することは、動物王国の趣旨からは反することなのだろう。

 

扉つきで外に出ないようになってる

石川さんちの仲間達

入場してから犬のカウント数がまったく上がらなかったが、たくさんの動物にあえる場所があった。この「石川百友坊」である。ここは王国歴ナンバー1の石川さん夫婦が取り仕切っている。ムツゴロウ王国が本店とすると、ここは支店といったところだろうか。

ここは敷地内を柵で囲っているため、動物が外に逃げ出さないのだ。中はかなりの面積があり、ちょっとしたジャングルのようである(サマーランドで使わなくなった遊具の跡地をそのまま利用している様子)。小屋に入れられている動物もいるが、放し飼いになってる動物も多い。イベントスケジュールとかは関係なく、フルに動物と接することのできる空間といえるだろう。

今までがまるでウソのように動物がカウントされていく。

「郵政民営化はどうなるんだろう」
バイオハザードに出てくるやつみたい
暑くないんでしょうか

王国にやってくること小一時間。ついに「動物とふれあった」という実感を手にすることが出来た。人に「動物王国どうだった?」と聞かれたら、今ならちゃんとこう言える。

「いたよ、犬とか」

満足したらおなかがすいてきた。王国内にはちゃんと食堂も完備されている。そこで空腹を満たすことにしよう。

 

好きなものを選びたまえ

むしろメインイベント

「レストラン・ポルキロ」はバイキングなのだが、ちょっとした面白いシステムをとっている。メニューには値段がないのだ。

だからといってタダとか時価というわけではない。ここでは品物ごとに値段は設定されておらず、重量で値段が決まるのだ。100gで210円。好きなものを多めに嫌いなものは少なめに取るなど好きにカスタマイズできる(まぁ嫌いだったら取らなきゃいいんだけど)。

古着屋などでは結構見かけるシステムであるが、レストランでははじめて見た。とても良いシステムだと思う。

見てくれは悪い

というわけで出来上がったオリジナルカスタムがこれだ。選べるメニューを全部入れてみた(ただスイカは重量があるから抜いているあたりが我ながらせこい)。スープは4種類あったが混ぜた。

メニュータイトルは「全部」でどうだろう。

味は色々な味がしたと言っておきたい。今回のメインイベントと申し上げたい。動物と一切関係ないけど。

イベントものはひとつも見ていない気もするが、岐路につくことにする。

 

また来いよな!!

さらば王国

出口で等身大ムツゴロウさんがお見送りをしてくれる。

ここで発覚したのが「ムツゴロウさんは意外と大きい」ということだ。比較する為に矢印の部分に置いたのが500ミリリットルのペットボトルである。軽く見積もっても2m30cm以上はあるのではないか。華奢なおじいちゃんというイメージが覆された瞬間である。ゾウやライオンに襲われても物怖じしない理由はそこにあった。

ムツゴロウさんが大男だから。

同じように退場しようとしていた家族の親御さんが娘に対して「パネルと一緒に写真撮る?」といったのに対し、娘は「別にいい」と言っていた。最近の子供はドライである。

いかがだったでしょうか、東京ムツゴロウ動物王国。北海道と東京とで変わってしまった点もあるかもしれないが、今も昔も変わらないこと、それは「ムツゴロウさんがメガネをかけている」ということだ。ムツゴロウさんがメガネで笑顔を振りまいてくれれば北海道だろうと東京だろうとウズベキスタンだろうとかまわないではないか。

というわけで、長々と書き連ねてきたコネタにお付き合いいただきありがとうございました。最後はわたくしめが想像で勝手に作ったムツゴロウさんのサインでお別れです。

またね!チャオ!!

6256(ムツゴロー)。輪っかの所がヒゲになってるのがポイント

 

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