さっそく中へ入ってみる。
店内はテーブル席が3つほど縦に並んでいて、奥に座敷があった。小ぶりな店内だ。夜遅く行ったにも関わらずかなり賑わっていました。中でも座敷は常連と思われるお客さんがくつろいでいる。おそらく近隣住民のコミュニティの場になっているに違いない。
新参者の僕は一番手前のテーブルに座る事にした。この席からだと厨房の様子しか見えないがうまそうな香りがしてくる。しかし小麦粉の袋とか調理器具とかが客席から触れるぐらい近い場所にあってなんだか家庭的な雰囲気がして、いい。
僕がまだ小学生だった頃には大阪にはこのような民家なんだかお店なんだか分からないような店がたくさんあって、お好み焼きとか駄菓子とかを級友と学校の帰りに食べて帰った。今日学校であった事をお店のおばちゃんに話しながら。おばちゃんの前でニコニコしてると
「なんや、カルピス飲みたいんか?」
「ファンタ飲むか?」
と言って飲み物をくれるんだ。飲み物のお金を払った記憶はほとんどない。
最近大阪の都心部ではそんな雰囲気のお店をすっかり見なくなってしまったが、そのような味わいを今に残すような素敵なお店だ。ただ、メニューの紙が……汚れてる。 |