いざ、勝負。
・・・が全然勝てそうにない。
何でかというと、なおやは僕に断りもなく「究極必殺技」という一撃で瀕死になる技を使ってくるんですよ。そういう過激な行為に出るときは、きちんと書類を提出してもらわないと対応できません。
全然勝てそうな気配が無く、「くっ!」と悔しそうな顔をしていたら、なおやは僕に足りないカードを差し出しました。「情けない男と戦って勝つ意味があるのか?」と言いたげです。
なんたる屈辱でありましょうか。こちらとしてはこのまま負けるわけにいかないので、何としてでも勝たねばなりません。
どうすれば・・・。
そうかっ!
要は、ジャンケンで勝てばいいんですよ。ジャンケンで勝てば敵の究極必殺技を食らうこともありません。
というわけで、ここは勝負のため、前向きに彼の手元のボタンを、それとなく、ちらちらっと覗きます。
勝ちました。勝ったので悔いはありません。
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