DNAは塩基のAとT、CとGが結びつくようにできており、「二重らせん」と言われるように、ACGTという並びのDNAには、TGCAというDNAがくっついている。
しかし高熱にしたりするとDNAは一本鎖になり、冷やすとまた同じペアを作る。AはTを探し、CはGを探し、結局同じ二本鎖ができる。
体内での細胞分裂の時に同じDNAの鎖を複製していくのを、熱と酵素を利用して人工的に短時間で増やすのがPCRなのである。
今回増やしたのはアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)を作る遺伝子のDNAだ。
その両端に目印となるプライマーというDNAを混ぜておくと、目的のDNAだけを増やすことができる。
増えたDNAをどうするの?
そして増えたアルデヒド脱水素酵素を作り出すDNAの、たった一つの塩基の変異(=スニップ)を調べる。
たった一つの塩基の違いでも、酵素はうまく形作られず、作用しなくなるのだ。
調べる方法は、酵素での切断だ。
使うのは制限酵素といって、ある塩基配列の並びをみつけると、そこを切断する酵素なのである。
なので、アルデヒド脱水素酵素の塩基配列が解っており、かつ、変異がおこる場所が解っていれば、その配列に反応する制限酵素を使ってDNAを切断してみることによって、変異の有無がわかるようになっている。
そしてそのDNAの大きさを判断するのがアガロース電気泳動だ。 |