自慢じゃないが、株の仕組みがわからない。さっぱりわからない。
「お小遣い稼ぎに株をやってます」なんて言う人がいても「へ〜」と感心するだけで、何か質問しようと思っても、出てくる言葉は「儲かってますか」くらいだ。
一体、なにがどうなって、得したり損したりするんだろう?
その、よく分からない株の仕組みでビールの価格が変動する飲み屋があると聞き、勉強がてら行ってきました。
(高瀬 克子)
ドイツだらけ
それは、正しくは「飲み屋」ではなかった。株式ビールは、ドイツ大使館の隣で行われている「ドイツ体感スクエア」というイベント会場で飲むことが出来るという。
さっそく大使館のある広尾へ行くと、駅はすでにドイツ一色だった。
駅の中は見事にドイツだらけになっている。これほどまでに大がかりがイベントだとは思っていなかったので、さすがに驚いた。
聞けば、今年は「日本におけるドイツ年」だという。なるほど、そういうことだったのか。それにしても、すごい力の入れようである。
そういえば来年のワールドカップはドイツ開催だったなぁ、と思いながら、1300円の入場料を払ってイベント会場に足を踏み入れた。
敷地内では写真展やアートイベントが多数行われていて、いろんな側面からドイツを知ることが出来るようになっている。
さらには、こんなものまで。
デイリーポータル内で、バウムと言えば古賀さんだ。今回、誘わなかったことが心底悔やまれる。古賀さん、どんなリアクションを見せてくれたんだろうなぁ…。
さっそくビールへ
バウムに心惹かれながらも、今回の私の使命はビールを飲むことだ。いや、ビールを飲みながら株式を学ぶことなのだ。
さっそく店内に入ろう。
テーブルの上には普通の店と同じようにメニューが置かれているが、ビールの値段は空欄のままだ。
代わりに、システムが詳しく書かれた紙が置かれている。
注文するビールの価格が株式相場と同じように変動する、新しいタイプのビアレストランです。「買い注文」が多いビールは値が上がり、少なければ下がります。
…ほうほう。
注文するタイミングで価格が決定しますので、ビールが運ばれてくる間に価格が下がってしまうこともありますが、逆にビールが届いた時に値が上がっていれば、得をした気分になれるでしょう。
…ん? すでによくわからない。それって得なのか?
だいたい、人気があるビールの値段がどうして上がるのだ。安いビールを買って飲んだ方が得ではないか。…あ、そうか。その段階で売れば儲かるのか。
少しだけ株の仕組みが分かったような気がします。
というわけで、飲みました
仕組みが分かったところで、ビールを注文。お店の方が、いちいち「ただいま○○円ですが、よろしいですか?」と聞いてくれる。
思わず「構わん。買いだ!」と言いたくなるシチュエーションだが、おとなしく「はい」と答えてビールを待つ。
そうか、株ってこうやって運用するのか。
ビール片手にモニターを見ながら「あ、このビール50円上がった!」だの「100円も下がったよ!」だの言いながら飲んでいたのも最初のうち。
最終的には値段のことなどどうでもよくなって、おいしいドイツビールを飲み続けたのでした。とりあえず、株に手を出すのはやめておきます。