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コネタ


コネタ874
 
頭上でひもを回して傘にできるか

傘なんていらない

中国武術の達人は、雨のときに頭上で棒を回して傘のかわりにするという。

もし本当にそんなことが可能なら、たとえば「突然の雨に降られて傘がない」という状況でも、これからは雨宿りなんかしなくて済むようになるんじゃないか。

実際にためしてみました。

(text by 三土たつお

今回使用した資料です。
参考にした書籍はこちら

とはいっても、棒なんか回しても傘の代わりにはならないよ、と思われる方は多いだろう。

そんな疑りぶかい方のために、まずはこの話の出典を示しておいた方がいいのかも知れない。宮下あきら著「魁!! 男塾」には次のような記載がある。

渦龍天樓嵐(かりゅうてんろうらん)

中国槍術、その最高峰にあり、槍聖とあがめられた呂朱根が創始したといわれる幻の秘技。

槍をすさまじい勢いで回転させることにより(中略) 空に飛ぶ鳥を落とし 雨の日は頭上で回転させれば 傘のかわりをもなしたという。

(出典:民明書房刊「武道達人逸話集」)

そういうわけで、どうやら本当のことのようなのだ。

おそらく中国武術においては、常人には想像もつかないようなことが日常的に行われているに違いない。

 

さっそく試してみる

都内某所の公園にて。なお、「うんてい」の上に立つのは危険なので真似をされないようにお願いします。

さっそく近くの公園に移動し、実際にためしてみることにする。

なお今回は、傘の代わりにするものとして、槍ではなくてズボンのベルトを使うことにした。現実問題として、雨に降られた際に傘はないけれど槍はもっている、という状況は考えにくいからだ。

ベルトを回しているところに頭上からじょうろで水を注いでもらい、それがどれくらい地面にこぼれるかを見ることにする。

 

一滴残らずはじき飛ばしてくれるわ。
うなれ、ベルトよ!

というわけで、実際にやってみた動画がこちら。結果はどうなっただろうか。

WindowsMedia
ブロードバンドナローバンド

QuickTime 
 ( ブロードバンドナローバンド ) 

 

 

だだ漏れでした

動画をご覧いただければ分かるとおり、じょうろからの水は単にだだ漏れになっていた。地面もびしょびしょだ。

残念ながら、やはり達人のようには上手くいかないらしい。

ただし、ベルトを回していると、たまに「ピシュピシュ」と水滴が当たる音がするのが聞こえた。中にははじき飛ばされているものもあるようだ。

完全に雨を防ぐことは無理だとしても、どれくらいの割合で雨粒を防ぐことができるのか、ついでに調べてみよう。

 

一滴ずつ調べる

あらかじめ地面に紙をおいて、ベルトを回しながら一滴ずつ水を垂らしていく。

垂らした回数よりも少ない数の水滴が紙の上にのこっていれば、その差がはじき飛ばした数ということになるだろう。


分かりやすいように、青く着色した水をスポイトで一滴ずつ垂らします。
今度こそ一滴残らずはじき飛ばしてくれるわ!

 

こりゃだめだ。
やはりだだ漏れでした

その結果が左の写真。

もはや何滴垂らしたのか分からないけれど、下で数えていた友人によると、一滴落とすごとにきれいに一滴ずつの跡がのこり、途中で弾かれた水滴はひとつもなかったとのこと。

やはり、頭上で何かを回して傘にするなどということは常人には難しいことだったのだ。


挑戦は終わらない

たしかに結果は失敗だった。

けれども、この結果をもって全てを判断してはいけないと思う。今回は単にぼくの実力が低すぎたのだ。

じっさい、雨粒の落下速度を毎秒5m、ベルトの太さを2cmとすると、ベルトが完全に傘として機能するためには、計算上ベルトを毎秒250回以上回転させればいい。

ちょっと難しそうだけれども、いつか出来るようになるんじゃないか。そう信じたい。

中国武術に追いつくその日まで。


 

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