■直線道路との戦い
もともと北海道の道路は、広くてまっすぐだ。
郊外に出ると、まっすぐな道なんてたくさんある。
だから最初はあまり驚かなかったが、しかし…実際に車で走ってみると、小一時間のあいだ一切曲がらないというのは、ちょっと特殊だ。
私たちは直線道路の最終地点まで着いた後、すぐUターンして、また同じ道をそのまま戻ってきたのだが、無事ゴールしたという安心感からか、復路では猛烈な眠気に襲われ始めた。
以下、同行してくれたドライバーが運転しながら言った言葉の記録。
「なんか眠くなってきた」
「あー、すげー眠い」
「ガムちょうだい。キシリトールの」
「ガムちょうだい。そっちの黒いやつ」
「もう直線は嫌だ」
「頼む、俺を曲がらせてくれ」
「そこの交差点で曲がっちゃだめ?」
「やった、直線終わった!」
「わーい、カーブだー!」
「こんなカーブじゃだめだ!」
「もっと角度のきついカーブを曲がらせてくれ!」
このドライバーの言葉のはしばしに、「日本一長い直線道路」のすごさが見え隠れしていると思うのだが、どうだろうか。
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「眠るなよ 長〜い 長〜い 一直線」 |
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