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コンビニおでん、具材別お得度徹底調査

寒い。外に出ると用もないのに暖かいコンビニに寄ってしまう。

コンビニと言えば温かいおでんである。大根を、いやいやたまごも牛すじも……などと言っている間にあっという間に4〜500円の予定外の手痛い出費だ。

家に帰っておでんを食べる僕。
「あれ? このたまご、いつも食べているA社のたまごより小さいぞ」
B社のたまごはいつも食べているA社のより小さい気がした。たまたま小さいたまごを買ってきてしまったのかもしれない。いや、でもこのたまご、明らかに小さい気がするぞ……。

予定外の出費と小さいたまごのダブルパンチでなんだかとても損した気分だった。
たかがおでんだけど、いやたかがおでんだからこそ、具材のわずかな違いに気づけなかった自分が悔しいのだ。

そこで、コンビニ各社のおでんの具を買い占め、具材別、会社別のお得度を徹底的に調べることにした。

梅田カズヒコ

コンビニのおでん売り場。見ているだけでおでんを買ってしまいそうだ。この商売上手!

クイズ! これはどこのコンビニのおでんでしょう?

正解:セブンイレブン
(ぷかぷか浮かぶかまくらはんぺんが特長的)

さっそくおでんを買い占める。

今回調査対象としたのは

・大根
・厚揚げ
・たまご

僕が考えるおでんの具ベスト3だ。牛すじやこんにゃくも捨てがたいがこの3品に絞って調査させていただく。

調査するコンビには以下の5社。

・セブンイレブン
・ローソン
・ファミリーマート
・サークルK
・スリーエフ

サンクスとam/pmは僕が知る限りではおでんを売っているのを見たことがない。皆さまの地元ではどうだろうか。

不公平が起こらないように各社じゅうぶん味の染みたものを買ってくることにした。

 

我が家に集まる各社のおでん



どの容器がどのコンビニのおでんか分かった人はかなりのコンビニおでん通だ。(マウスオンで分かります)。さっそく一品づつ見ていこう。

その1 大根の場合


こうやって各社の大根を並べてみると違いが一目瞭然だ。

ずらずらっとそろった大根。売り場では同じように見えていたおでんの具の僅かな違いが見えてきた。いよいよ白日の下にさらされる大根たち。
そこには“皆と同じ商品を売りたい、でも自分の会社のオリジナリティを残したい”そんなコンビニ各社の微妙な思いが伝わってくるようでした。

順を追って説明させていただこう。


《色合いについて》

大きな違いがあるのはスリーエフの大根。他のコンビニと違いだしが味噌ベースのため薄い。


《固さについて》

細かい視点だが、大根上部の表面に注目していただきたい。
・セブン・ファミマ・スリーエフのグループ
 →繊維質が見え、煮くずれしにくそう。食感がよい。
・ローソン・サークルKのグループ
 →表面がぶよぶよしていて見るからに柔らかそう。

どちらの大根が好きかは好みが分かれるところだ。


大根・データ

貧乏性な自分の性格が垣間見られ恥ずかしいのですが、コンビニ各社別の重量、1gあたりの値段を調べてみました。どの大根が一番経済的なのか? 調べてみました。

 

重量

1位 セブンイレブン 88g
2位 ローソン 79g
3位 ファミリーマート 77g
4位 スリーエフ 71g
5位 サークルK 68g

売値/重量 (1gあたりの値段)

1位 セブンイレブン 約0.83円
2位 ローソン     約0.89円
3位 ファミリーマート 約0.95円
4位 スリーエフ    約0.99円
5位 サークルK    約1.03円


セブンイレブンのおでんの大根は、サークルKの大根より1gあたり約0.2円お得!


その2 厚揚げの場合



厚揚げは非常に違いが分かりやすい。各社の特長をあげると

ファミマ:色が濃い、小さくて、目が細かい、型くずれしていない。
セブン:柔らかい、でこぼこがある、やや型くずれしている。
サークルK:とにかく四角いのが特長。
スリーエフ:一辺が長い二等辺三角形型。やや煮くずれしている。
ローソン:大きい、厚さはやや薄いが堂々とした立ち居振る舞い。

といったところか。ひとめで見分けがつく。スリーエフやサークルKの厚揚げからはその他大手コンビニとなんとしてでも差異化させたいという熱い思いが伝わってくる。


厚揚げ・データ

ちなみに味ではセブン・ローソン・サークルKあたりが好みでした。右の写真はゆげでレンズが曇ってしまった厚揚げの写真、うまそう。

 

重量

1位 サークルK 95g
2位 ローソン 92g
3位 ファミリーマート 76g
4位 セブンイレブン 76g
5位 スリーエフ 69g

売値/重量 (1gあたりの値段)

1位 サークルK    約0.84円
2位 ローソン     約0.92円
3位 セブンイレブン 約0.96円
4位 スリーエフ    約1.01円
5位 ファミリーマート 約1.11円


サークルKのおでんの厚揚げは、ファミマの厚揚げより1gあたり約0.3円お得!


その3 たまごの場合



最後はたまご。こうやって並べてみると、どこのたまごでも同じだろう、と決めつけがちなたまごにも大きさや形に違いがある。

セブンイレブンのたまごは大きい。他のたまごを威圧するほどの大きさである。サークルKのたまごは長細く、シャープな形をしているような気がするがたまたま手にとったたまごが細長かっただけかもしれない。


たまご・データ

僕はいつも食べているセブンのたまごが大ぶりで好きです。大きいたまごってなんか幸せになった気がしません? 写真右は測定を終え、大量のおでんを食べる僕。

 

重量

1位 セブンイレブン 60g
2位 ファミリーマート 52g
3位 ローソン 51g
4位 サークルK 50g
5位 スリーエフ 44g

売値/重量 (1gあたりの値段)

1位 セブンイレブン 約1.40円
2位 スリーエフ    約1.59円
3位 ファミリーマート 約1.62円
4位 ローソン     約1.67円
5位 サークルK    約1.68円


セブンイレブンのおでんのたまごは、サークルKのたまごげより1gあたり約0.3円お得!


おまけ


からしも各社さまざま。

サークルKは“ちび太のおでん”


ところで僕はコンビニでバイトしていたことがあるけど、店員としてはおでんは水は足さないといけないし火加減は見ないといけないしだしに浸けすぎていけないしいろいろやっかいな商品なのだ。コンビニでおでんを買うときは心の中で店員さんに感謝しておこう。

実はこんにゃくも調べていました。こんにゃくは没個性的

尊敬する人はと聞かれ「こたつを発明した人」と答えたとかいう笑い話を聞いたことがある。それでいうならば僕の尊敬する人物は「おでんを発明した人」である。

ずいぶん大仰な話になってしまうが、僕はどんな食べ物も「真冬のおでん」の前では無力になってしまう気がする。こんなにリーズナブルに幸せを買える食べ物も少ないのではないか。
おでんにはなぜか人を優しくさせてくれる魅力がある気がする。独身一人暮らしの冬を癒し、明日に希望を与えてくれるのだ。金欠であろうともおでんぐらいなら無理せず買える。

一人で食べるおでんもいいが、皆で食べるおでんもいい。おでんの鍋を囲みながら人は人を許し、今まで隠していた秘密を打ち明け、一歩踏み込んだ話をするのだ。きっと。

ちょっと疲れ気味のかた、今日の夕食はおでんにしませんか? 自炊しない人はコンビニでおでんを買って帰りましょう。


 

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