11月1日 はじめての放し飼い
『昆虫を飼う』という行為には、多少のうしろめたさを感じてしまうのが大人の常。
本来であれば、大自然の中で自由を謳歌しているであろう彼らを、小さなカゴに閉じ込めてしまうのですから良心がとがめます。
しかし今回はどうでしょう。
虫アミで捕まえてきたわけでも、大金をはたいて購入してきたわけでもありません。
ポジティブな解釈をすれば、自然な流れで我が家にやってきたのです。
その旅人を、放し飼いで飼うことが出来る。
飛んだり跳ねたり三段跳びなどをして、私を驚かすこともない。
目がウロコとはこのことでした。1ミクロンの曇りもなく、すがすがしい気分で昆虫を飼うことなど初めてです。
私は訪問者がくるたびに、我が家の居候を紹介しました。
11月2日 大食漢の居候
居候であるからには、多少の『遠慮』というものが不可欠ですが、こちらはその自覚ゼロ。
あきれるほど菊の花びらを食いまくります。
一輪をきれいさっぱり食したあとは、ものの見事に移動する曲芸もご披露してくれました。
「ちょうちょう」の歌に「花から花へ〜」という一節がありますが、幼虫もまったく同じだということを学びました。
ちなみに、食したぶんだけきっちりフンを残していく律儀な性格だということもご報告しておかなければならないでしょう。たいしたものです。
それにしても。
百合の花びらは美味しくないのでしょうか。たしかに菊の花は人間でもワザビ醤油でおいしくいただくことが出来ます。さっぱりキョーミをみせないので、明日にはまた別の食材を調達してくることにします。
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