デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

コネタ


コネタ954
 
小川 vs 吉田、もう一つの戦い
 

もうすぐ大晦日、今年も毎年恒例の格闘技イベントが開催される。K1とプライド、それぞれ注目のカードが発表されているが、今年の目玉は何と言っても小川直也と吉田秀彦の一戦ではないだろうか。柔道メダリスト同士の遺恨対決。一部の報道では両雄合わせて5億円ものファイトマネーが支給されるとか。その額は日本の格闘技史上最高金額だという。まさに世紀の一戦といえよう。

そんな大一番の展開を占う意味も込めて、身近で「小川 vs 吉田」が繰り広げられている場所を探してみた。例えば同じ商店街の中で小川屋と吉田屋が軒を連ねているとか。調べると、川越市に条件に見合う商店街を見つける事が出来た。

(text by 住 正徳

戦いの舞台は川越の商店街


大正浪漫夢通り

西武新宿線「本川越駅」から徒歩15分、大正時代の情緒溢れる「大正浪漫夢通り」の中に吉田さんと小川さんを見つけた。吉田秀氏が店長を務める「ヨシダデンキ」と、小川修一郎氏の「うなぎ小川菊」。古い建造物が立ち並ぶこの商店街の中で、吉田さんと小川さんがお店を構えているのだ。


100メートルと離れていない吉田さんと小川さん

今回は、そんな両店の戦いの様子をお伝えする。



ルール説明

戦い、と言ってもそれぞれのお店の代表者に格闘技で決着をつけてもらう訳ではない。制限時間内の来客数によって勝敗を決める。

ルールはプライドのオフィシャルルールに乗っ取り、以下を設定した。

・10分、5分、5分の3ラウンド制で戦い、延長戦は行わない。
・ラウンド間のインターバルは2分とする。その間のお客はカウントされない。
・最終的にお客の数が同じだった場合は、ジャッジが必ず優劣を判定するマストシステムにより勝敗を決する。ジャッジは、僕。

以上のルールに従い、両店の前でお客の同行を見守る訳だが、試合の様子をお届けする前に、両者のデータをお伝えする。


うなぎ小川菊。
創業200年を誇る老舗店。大正13年に改装された建物は、川越市内では数少ない木造3階建て。小割りに分割されたガラス戸が特徴。代表の小川修一郎氏は7代目。お店の外に漂う蒲焼きの匂いがお客を誘う。
ヨシダデンキ。
蔵造りを数多く手がけた建築請負業、関根松五郎氏の店として明治20年代後半に建てられた。蔵造りだが、2階の窓や軒など他の建物と比較すると控え目な仕上げ。2代目の吉田秀氏はインターネットの設定なども請け負う。店頭のイルミネーションに惹かれての来客に期待したい。

 

17時、いよいよ試合開始


1R:小川サイド。人通りは少ない。 1R:吉田サイド。こちらも静かな立ち上がり。
1R:小川サイド。ギャル2人組が小川の目の前を通過。しかし、足早に通り過ぎた。 1R:吉田サイド。女性3人組がお店の前を通過するが来店には至らず。
1R:小川サイド。車が猛スピードで通り抜けていく。来客はまだない。 1R:吉田サイド。人通りが多くなって来たが来客までは及ばず。

第1ラウンドは両者とも大きな動きは見られなかった。慎重にお互いの出方をうかがっているのか。10分間、膠着状態が続いた。次のラウンドではアグレッシブな攻防を期待したい。


2R:小川サイド。団体がお店の横を通り抜けた。一気にポイントを稼ぐかと思われたがこの団体は小川の前をスルーしてしまった。 2R:吉田サイド。車通りが激しくなり歩行者がお店の近くを歩く様になる。いよいよ来客か?
2R:小川サイド。第2ラウンド終了間際、ついに試合が動いた。自転車でふらっとやって来た中年男性が小川の中に。小川、ついに1ポイントゲットである。 2R:吉田サイド。小川に先手を取られた吉田。焦る気持ちとは裏腹にこのラウンドもポイントはなし。

1組のお客をゲットして、小川が一歩優勢に立った。吉田の反撃はあるのか?
いよいよ次が最終ラウンドだ。


3R:小川サイド。匂いに誘われて散歩中の犬が小川の前から離れない。ポイントには加算されないが、同点だった場合の判定に大きく影響する犬である。 3R:吉田サイド。結局、最終ラウンドも来客はなかった。無情にも試合終了のゴングが鳴った。


試合結果
○小川(1ポイント+犬) 対  ×吉田(0ポイント)

勝者、小川修一郎氏 敗者、吉田秀氏

大正浪漫通りホームページ


という訳で、大正浪漫通りの小川 vs 吉田は僅差で小川の勝利に終わった。
果たして大晦日の小川 vs 吉田の結果はいかに?

そして、浪漫通りといえば、あれです。本サイトでの連載を1冊にまとめた「ロマンの木曜日」という本が明後日のクリスマスイブに発売となります。

クリスマスですので、抽選で5名様にプレゼントさせていただきます。
ご応募お待ちしております。

 

プレセント応募受付は終了しました。
たくさんの応募、本当にありがとうございました。

「ロマンの木曜日」
著者:住正徳
発行:2005年12月24日
発行所:彩文館出版
定価:1,260円(税込)
仕様:A5判/164ページ

下記のページで購入する事も出来ます。
くじ運に自信のない方は、是非購入をご検討下さい。

ご購入はbk1へ

宜しくお願いします。



 

▲トップに戻る コネタバックナンバーへ
 
 


個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.