今年は日本相撲協会が設立されて、ちょうど80年にあたる年。設立は大正14年だ。
いきなりこんな風に書くと、さも相撲好きだと思われそうだが、たまたまどこかで目にした「大相撲ふれあい感謝祭」の開催告知を目にして知った。実は相撲メモリアルイヤーだった今年。
特に「ふれあい」の部分が気になるこの感謝祭。入場希望者の募集に応募したところ、運良く当選することができたので行ってきました。
(text by 小野 法師丸)
かなりの近距離でせまってくるおすもうさん
国技館に足を運ぶのは初めての私。実のところ普段それほど相撲を見るというわけではないのだが、たくさんの人が並んで入場を待つ会場に着くと、自然と興奮がわきあがってきた。
「ふれあい」の名は決して形ばかりのものではない。イベント名にたがうことなく、会場内に入るとおすもうさんたちがそこかしこにいて入場者たちにぐいぐい迫ってくる。
別に本当に迫ってくるわけではないが、それくらい存在感がある。
ちゃんこ鍋コーナーでは、若いおすもうさんたちが元気よく「いかがですかー!」と勧めてきてくれる。気がつくと力士のみなさんに囲まれるような状況にもなったりして、そういう国に来てしまったような錯覚も覚えた。
具だくさんのちゃんこ鍋は、思っていたより少し甘めの味つけ。ウズラのタマゴのように見えるのは、噛むと黄身だけで驚いた。後から調べてみると、「玉ひも」とも呼ばれるらしい、ニワトリの卵巣(?)のようだ。
確かにスタミナつきそう。別にそれほどスタミナを求めていない私だが、自分の意志とは関係なくついてしまいそうだ。
土俵でもモリモリとおすもうさん
ちゃんこ鍋や焼き鳥といった相撲フードのふるまいもおいしいのだが、メイン会場の土俵やステージでは、より相撲感あふれるプログラムが行われていた。
土俵が下からせり上がってくる様子も見せてくれた。ウィーンとじっくりと出てくる土俵を見ていると、勝手に「ガンダム、行きます!」という気分になってくる。このあと完全に姿を表した土俵では、横綱の綱締めを見せてくれるらしい。
やはりたくさんの力士がいっぺんに土俵に上がると迫力がある。横綱を取り囲んだかと思うと、ぐいーっと綱を引っ張り出した。
やめてー!と言いたそうに見えるおすもうさんもいる気がするが、別にこらしめられているわけではない。本格的な相撲感に圧倒されつつ、相撲健康体操コーナーではまた違った味わいも見せてくれた。
相撲の動きを取り入れながら、誰でも気軽に体を動かすことができるという相撲健康体操。力士のみなさんが実際に見せてくれた見本は、かわいい&かっこいいが織り交ざった風にも見えた。
意外なバリエーションのある化粧まわし
プログラムには横綱の土俵入りもあった。儀式的な美しさは言うまでもないのだが、それ以外の部分でも気になるものが目に付いた。
後援者などから贈られる化粧まわし、かわいらしかったり意外だったりとさまざまな角度から個性豊か。ブルガリアと言えばヨーグルト、というイメージがここでも思いっきりつながっているわかりやすさもまた意外な気がする。
相撲関係のアイテムとしては、優勝した力士にこれでもかと贈られる賞のカップもあった。
異彩を放ちつつ郷土の特産をアピールする福井県賞。確かにこのトロフィーを見ると、福井県のことが心に刻まれる気はする。
うれしはずかしなリアル力士とのふれあい
会場には現役力士やOBの方がたくさん普通に歩いていて、その名の通りフレンドリーに接することができたこのふれあい感謝祭。写真を撮らせてもらった力士の中には、「逆光、だいじょぶですか?」と聞いてくれた方もいた。
逆光を気にしてくれるおすもうさん。なんかうれしい。
相撲体験教室では写真のようにマンガチックにぶらーんとなっている子供も。福井県賞のすっぱさ意外は大変あたたかいイベントでした。