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コネタ


名古屋コネタ
 
名古屋コネタ60本ノック

古賀:長かった名古屋コネタ60本ノック、フィナーレの本日です。
林:2年がかりでしたからね
林:あ、ぼけたつもりがほんとうにそうだ。(この「名古屋コネタ60本ノック」は昨年の「名古屋コネタ対決の続きなのです)
古賀:私もあぶなくツッコみそうになりましたが、ほんとだ。2年だ。
林:名古屋でここまでひっぱりました。
古賀:そしてこの対談には久しぶりに登場の林さん。お帰りなさいませ。
林:はい。外国に行ってました。
古賀:不必要にうそつくのは辞めてくださいって。私もどう会話を進めてよいやら。
林:まあ、あと5年は名古屋に行かなくてもいいや、という気分です
古賀:いやいや! BBフェスタで9月には再上陸予定ですってば!
林:そうか!
林:でもこんどは朝から晩まで歩き回らなくていいですから
古賀:そうですね。取材を意識せずおいしいものが食べられます。
林:でもきっと同じところ行っちゃうのかもしれませんね。
古賀:では、今日の一発目は、BBフェスタの時も行ってしまうだろうこの店を



名古屋コネタ58


納豆コーヒーゼリーサンドの店の新たな刺客

古賀 及子

納豆コーヒーゼリーで有名な鞍馬サンド。その支店が名古屋にあることは昨年触れた(コネタ「納豆コーヒーゼリーサンドが案外美味しい訳」)。

そのとき納豆コーヒーゼリーサンド以外のサンドイッチも十分インパクト大であることが気になっていた。例えば生クリーム栗あずき」や「山菜てりやきチキン」など、何か煮付けて具が盛りだくさん。

そんな伏兵を探すべく、再度店を訪ねることにした。

ありました。ありましたよ!  訪れた4月の月間の期間限定サンドイッチ、

「 黒ごま小倉ういろうサンド」

ういろうのサンドイッチである。もう、ネタにしてください的メニュー。喜びで真後ろにひっくり返りそうになった。

さっそくゲットして、近くの公園で食べた。まずはしげしげ外観を眺める。ういろうはうぐいす色。抹茶味らしい。生クリームにも抹茶が混ざっている。そして断面は何かロボットの顔のようだ。しばし見つめ合う。


ういろう、確かに挟まってます。ロボの顔のような外観

そして味。 ヒー、なるほど。食パンの食感とういろうの食感のせめぎ合い。さらに、ごま餡と小倉餡がミックスされていて香ばしいわ甘いわつぶつぶが襲う。あんこ好きとしては心奪われまくりだが、やっぱり不思議。

期間限定のサンドは人気次第でカムバックしたり、場合によってはレギュラー化することもあるそう。ういろうのサンドイッチが新しい名古屋名物になるか。結果に注目したい!


海老フライサンドはしっぽがはみ出しまくり。やっぱりすごいサンドイッチ屋だ……!



林:「喜びで真後ろにひっくり返りそうになった」って富永一郎のまんがですか。
古賀:いや、でもパンチ力っつうか脱力っつうか、ういろうサンドってすごいですよ。ひっくり返りもしますって!
林:頭打たないように気をつけてください!
林:さておき、ういろうの食感ってパンに合うんですか?
古賀:なんか変わった食感ですね。フワっとして、くにっとする。あんこが中和していい感じでした。
林:海老フライサンドがうまそうですね。
林:タルタルが
古賀:海老フライというよりも、タルタルが。
古賀:デイリーポータルZはタレが大好きですからね
林:子供の心を持った大人たちですから
古賀:そんなわれわれをしのぐ遊び心を持った方が名古屋にはいますね
林:流れるように次に行くわけですか
古賀:ええ。いい流れです。
林:遊び心、ではないと思うんですが…。
古賀:林さん1年ぶりに再会のこの方です



名古屋コネタ59


真空管があるパン屋さん

林 雄司

いきなり大歓迎

堅くて食べられないパンを売る店、岩瀬パンを前回の名古屋コネタ対決で紹介した(「かなづちでたたいて割って食べるパン」)。パンもすごいが店内のコレクションもすごかった。

ご挨拶をかねて岩瀬パンを再訪するとご主人は大歓迎で僕らを迎えてくれた。

前回の記事を見たテレビ局が岩瀬パンを取材しにやってきたということで、いきなりプレゼントをくれたのだ。前回の記事でも紹介したニコンと書かれたバックルである。

「これは林さんにあげなと思ってな」

ふだん斜に構えているだけに、こういうストレートな好意に弱い。


ご主人の後ろに立つ奥様も笑顔。

 

店内のアイテムを

岩瀬パンの店内は変わったものが並んでいる。ひとつひとつ聞くとご主人は嬉しそうに教えてくれる。ご主人の嬉しそうな顔がなぜかうれしくていろいろ聞いてみた。


あきらかにパンとは関係ないものが並んでいる

まずは旧日本海軍の帽子と記章のハンカチ。


「調理担当はナイフとフォークなんだ」

その2.パンの後ろから出てきたものは


「ちょっとまってな、ここに…」

がさごそ

缶にいっぱいの真空管。なぜ。

いまでは生産していない真空管を多数コレクションしているため、地方からマニアが譲ってくれと訪れるという。やっぱりここはただのパン屋ではない


未使用なのでたいへん美しい真空管

真空管が入っていた缶。

缶は粉ミルクの缶に入っていた。でもそこには「ドクダミ」と書かれていた。でも、入っているのは真空管だ。粉ミルクでもドクダミでもない。真空管・粉ミルク・ドクダミ。

この違和感はどこかで見覚えがある。そうだ。僕の実家だ。カオスでありながら懐かしいのはそのせいかもしれない。

「2階に行こう」

ご主人に誘われてお店の2階にあがった。そこにはさらなるコレクションが待ちかまえていたのだ。(つづく)


もはやパンの話はいっさい出てきません。



林:岩瀬パンのおっちゃんは、マジですからね。
古賀:遊びでは決してないと
林:「林さん、まってたでー」と熱い歓迎でした。
古賀:行くなりバックルプレゼントですもんね。パン屋の店先で。
林:ええ、次も見てほしいのですが


名古屋コネタ60


過剰なパン屋さん

林 雄司

2階には

さまざまなコレクションが所狭しと並んでいた。店にあるコレクションはごく一部だったのだ。

1970年代の貴重なものがあるというリールのコレクションを見せてもらった。



リールもすごいのだが、ほかの釣り道具もいちいち量が多い。


釣り竿もこんなに。

浮きだって。

 

この大きな浮きは?

浮きが入っている箱のなかにひときわ大きな浮きがあった。聞くとご主人の手製だという。

「トイレの水洗タンクのフロートや」



ご自分で塗って浮きにしているという。ボラ釣りのときにはこの大きな浮きが便利、とのこと。自作の浮きは仲間にあげているそうだ。

「集めるよりも、人にあげるのが好きだ」

と言っていた。外に向いたコレクターである。このほかにもいろんなものがあった。駆け足で紹介すると


コンビニ袋に入っていたのは…
貴金属コレクション。バレンチノと書かれた時計。
フェンディのサングラス
火鉢も集めている

 

すべてが過剰

レジスターを使う前に使っていたという5つ玉のそろばんを見せてもらったが、それも6個ぐらいあった。すべてが過剰なのだ。

これならパンが堅くたって不思議ではない。いっけん奇異に見えるカタパンもこのご主人のキャラクターを理解するとまったく不思議ではないのだ。


大須観音の蚤の市で買ってくるそうです



林:堅パンだけとりあげると変わっているのですが
古賀:堅パン以外の方がよっぽど変わってますよ
林:全体に、やることなすことやりすぎなんです。この人がパンを焼いたらこうなるだろう、と至極まっとうな展開なんです。
古賀:あ、なるほど。パンは驚くべき点ではないわけなんですね。
林:パン屋さんの取材なのに、2階に上がって釣り具みてましたから。パンの話なんて1分もしなかった
古賀:急展開にもほどがありますよ
林:話した1分の内容は
  「パンは儲からん、パンはだめや」でした。
古賀:……。で、でも私は堅パン好きですよ。素朴な味わい。
林:僕はパンよりもあのおっさんが好きです。原稿には書かなかったですが、腕時計くれました
古賀:パン屋でバックルと時計をもらった人ってなかなかいないと思います
林:あ、そうだ。
古賀:まだあるんですか
林:林さんは、綾小路きみまろは知り合いか?って聞かれました
古賀:? なんでまた
林:きみまろは火鉢をコレクションしているとどこかで聞いたそうで、この火鉢を見せたらきっと欲しがるだろうなあと言ってました。
林:あげたがりなのかもしれません。
古賀:ああー、きっときみまろが来たら喜んであげるんでしょうね
林:そうですね。きみまろさん、大須に行ったら岩瀬パンに寄ってください。
古賀:火鉢あげます
林:最後は綾小路さんひとりに向けた情報になりましたが、名古屋60本コネタは以上ですよ
古賀:最後以外の情報はちゃんと皆さんに役立つ情報になって……ませんかね
林:大丈夫。このだらだらした対談は本には載ってません。
古賀:そうそう、そうなんですよ。
林:このページ見たから本かわなくていいや、ということはないんです
古賀:本はもっとわりとちゃんとしてます。役立ちます。意外にちゃんとしてるので驚かれるかもしれませんな!
古賀:何しろ汗と汗と汗の結晶となっております
林:あと汁と。
古賀:汁は入ってませんから!
林:名古屋コネタはみんなの心の中にある、という結論でいいですか?
古賀:わー! また大雑把な結論を! まあでも、そうゆうことなのかもしれません。名古屋ばんざい。
林:ながいあいだおつきあいありがとうございました。
林:おや。サイトまるごと終わるみたいだ
古賀:終わらない! 終わらないですよ!
林:では、明日からは練馬コネタ60本ノックで!
古賀:それもうそ!では!

今回のコネタのもっと突っ込んだ内容や、サイト未掲載のコネタが満載の名古屋本が7月6日に小学館文庫より刊行されます

「名古屋の不思議(仮)」
  デイリーポータルZ編

さらなる詳細は分かり次第追ってご連絡!
どうぞよろしくお願いします。


 

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