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コネタ


コネタ976

 
イタリアン・ファミリーレストランの内装はどれくらいイタリアっぽいのか
ファミレスってこんな不思議な像がけっこう置いてあるよね。

僕はファミレスが大好きだ。ありとあらゆる状況でファミレスを利用する。自分にとってのキング・オブ・外食はもちろんファミレスだ。

しかし、そんな大好きなファミレスだからこそ気になってしまうこともある。
ファミレス特有のあの内装(インテリア)の雰囲気が気になる。やけに壁の色が単一色だったり、妙に鏡が多かったり、なんだかよく分からない像が置いてあったりと、ファミレスの内装は何かにつけ面白い。生活と密着しているけど見逃しがちな面白さだと思う。

今日はファミレス独特のその内装の不思議に迫るべく、『イタリアン・ファミリーレストラン』の内装は果たしてどのぐらいイタリアっぽく仕上がっているか? というテーマに絞って検証してみました。

梅田カズヒコ

今回のターゲット

本当はすべてのファミレスの店舗に行きたかったけど収集がつかなさそうなので、イタリア料理が出てくるイタリアン・ファミリーレストランと謳うファミレスに行き、どのぐらいイタリア度が高いか(イタリアっぽいか、本場っぽいか)を検証したい。

検証ポイントは次の6項目

・入口に置いてある黒板(おすすめメニューや歓迎文が書いてあるボード)
・入り口のメニュー台(メニューを置いてある台)
・テーブルとイス
・壁の模様・色
・装飾品(像とか観葉植物とか)
・壁にかけられている絵

各5点満点で評価し、5点×6項目=30点満点で、そのお店のイタリア度を測ってみたいと思う。(ついてきてますか? まあ読んでいったら何やってるのか分かりますから。)
では、いざ検証開始。

 

1軒めのイタリアン・ファミリーレストラン

イタリアンレストラン『スカイラーク・ガーデンズ』

《ガーデンズ・メモ》 
〜変幻自在のすかいらーく分身の術のひとつ〜
ファミレスの帝王すかいらーくグループのひとつ。首都圏を中心にチェーン展開。ファミレスの中でもやや高級思考が強く、コースメニューも存在する。客層もどことなくブルジョア風な雰囲気。名前はすかいらーくなんだけど、経営はグループ会社のジョナサンだというフェイントの得意な芸風で金メダルを目指す。


すかいらーく・ガーデンズの内装はこんな感じ。

イタリアとは無縁の僕が主観で勝手に評価していきます。


入口の黒板

イタリア語でまとめてあるようだ。なるほどイタリア的。ただシンプルでイタリア的陽気さに欠ける気もする。イタリア度3点。

壁の模様・色

落ち着きのある壁の色。なんだかホテルっぽい。中世的なイメージを目指したか。イタリア度4点

テーブルとイス

案内されたテーブルは丸形のテーブルだった。なんか落ち着かない。でもなんとなくオープンカフェっぽくて、オープンカフェ=ヨーロッパ的という連想ゲームでイタリア度4点。

入口のメニュー台

なんとなくクリスタルな台でイタリアというより長野県知事的。2点。

装飾品・像

像。エロい。5点。

壁にかけられている絵

イタリアの地図を置けばイタリアか。あなたの思うイタリアはそんなもんか、と意地悪な気分で1点。


なぜか風見鶏が飾られている。こうした一見謎な装飾が僕らを夢中にさせている。

総評

すかいらーく・ガーデンズのイタリア度
19点/30点中

数あるファミレスの中では本格派というか、素敵な内装である。でもこれがイタリアかと問われれば若干苦しいところも。

 

 

2軒めのイタリアン・ファミリーレストラン

イタリアンワイン&カフェレストラン『サイゼリヤ』

《サイゼリヤ・メモ》
〜イタリアンmeetsデフレ特価〜
イタリアン=高級食という前提を覆し爆発的な安さで人気を博すファミレスチェーン。本当にこの値段でいいの、と思わすほど安いミラノ風ドリアは299円(税込)。
不況下でも勢力を拡大し、全国に700店以上の店舗を抱える。渋谷や新宿など都心の利便性の高い場所に多いのも人気の秘密で、店内は常に若者で賑わっている。


サイゼリヤの内装はこんな感じ。

また勝手に点数つけていきます。すみません。


壁の模様・色

黄色い。壁の色はイタリアというよりターメリックみたいなインド色。イタリア度1点。

テーブルとイス

サイゼリヤのイスの色はオリーブと同じ緑色。無理矢理地中海っぽい比喩を使ってイタリア度4点。

壁にかけられている絵

どの絵も美術の教科書で見たようなルネッサンス調の絵画。ルネッサンスは明らかにイタリアなので5点。

装飾品・像

店内をうろうろすれど先ほどのファミレスのような像は発見できず。あるのは消化器のみ。0点。

入口のメニュー台

シンプルイズベストを地でいくメニュー台。なんだか潔い気もするので4点。

入口の黒板

ファミレスの入口につきものの楽しげな黒板は存在しなかった。代わりに長居禁止の注意書きがかけられていた。なんだか歓迎されている気がしない。1点。


店内にはファミレスにやたら多い鏡がたくさんあった。化粧を直し放題の優しい気遣いなのか。

総評

サイゼリヤのイタリア度
15点/30点中

サイゼリヤは安い。リーズナブルでお得だ。だから内装なんてこだわって欲しくない。15点で十分だ!

 

 

3軒めのイタリアン・ファミリーレストラン

スパゲッティー・ピッツア『ジョリーパスタ』

《ジョリーパスタ・メモ》
〜電子マネーEdyが使えるファミレス〜
サンデーサン系列のイタリアン・ファミリー・レストラン。手作りピッツアと豊富なパスタに人気が集まる。正統派という言葉がしっくりくる堅実的な店構えです


ジョリーパスタの内装はこんな感じ。


入口の黒板

ウェルカム感たっぷりの黒板。楽しげで陽気な雰囲気がイタリアっぽい。イタリア度5点。

壁の模様・色

何もないほど白い。平均値で3点。

テーブルとイス

テーブルもイスも全体的に茶色。山小屋風? 4点。

壁にかけられている絵

港町が描かれた絵。確かにイタリアか南フランスののどかな港町といった雰囲気だ。イタリア感たっぷりで5点。

装飾-1

なんだか植木鉢や瓶が置かれている。いいんだけどどうイタリアをイメージしたのかは謎。2点。

装飾-2

ぶどうがつりさげられていた。楽しいけどそれだけじゃ素っ気ない気もして3点。


こういう野菜とか食材の絵っていかにもファミレス的センスですよね。

総評

ジョリーパスタのイタリア度
22点/30点中

というわけで僕が勝手に評価したところ、一番イタリア度の高い(イタリアっぽい)ファミレスはジョリーパスタということになりました。何にもうれしくないだろうけど関係者のかた、おめでとうございます。

ファミレスのネタなのに料理の写真ゼロでした。というわけで最後ぐらい料理の写真を。

ファミリーレストランは日本特有の文化だ。

というわけでイタリアンを謳うファミレス3軒におじゃまさせてもらったが、イタリア料理を出すからといって、必ずしも内装もイタリア的とはいかないようで、各社自由な内装を試みているのが面白い。

そもそもファミリーレストランという言葉は日本人が考え出した和製英語らしい。だったらいいじゃないか、日本人的な内装で。
と、今回のネタ自体を根底から覆したところで終わりたいと思います。


 

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