文系の人と理系の人の年賀状を見比べて、筆跡の違いを調べます。

数年前、有名人の筆跡展を見に行った際、あることに気がつきました。それは…

画家や小説家は丸い字の人が多いが、数学者や科学者は角ばった字の人が多い。

ということ。それから今まで漠然と

文系の人は字が丸くて、
理系の人は字が角ばっている。

と思って過ごしてきたのですが、なかなか検証する機会がありませんでした。

そこで今回年賀状を使ってこの検証にチャレンジ！さて、この仮説は正しかったのか？

（text by 岸川 祥子）

いきなりの落とし穴

１月某日。ポストを開けた筆者の目に映ったのは辛い現実でした。なんと…

今年の年賀状、ほぼ全部印刷！

自分もメールで年賀状を出した身なので人のことは言えませんが、まさかＩＴ化の波がこんなところにまで押し寄せていようとは…。

仕方なく去年の年賀状を引っ張り出して検証を始めてみることに。

文系の文字は丸いのか？

それではまず文系の人の年賀状をチェック。

本文側は印刷のものが多く、書いてあることもバラバラだったので、宛名側の「武蔵野市」を比較してみることに。

いくつか年賀状を見てみた結果、文系の人の文字は主に次の２パターン。

◎文字の縦幅と横幅がほぼ同じ
　（１，２，５番）

◎全体的に文字のタッチが柔らかい
　（３，７，８番）

どうやら文系の人の文字は、字が長細くなく、タッチが柔らかいことから全体的に丸みを帯びた印象を受けるよう。

ただし、４番や６番のようにあまり丸くない文字を書く人もいて、残念ながら文系の人＝字が丸いとは一概には言い切れない結果に。

ちなみにいかにも若い子が書きそうな２の文字は４０代の女性のもの。華奢な女性を思わせる８の文字は体重が１００キロ以上ある男性のもの。

どうやら年齢や性別は文字とはあまり関係ないみたいです。

理系の文字は角ばっているのか？

続いて理系の人の年賀状をチェック。

理系の知り合いが極端に少ないため、サンプルはこれだけ。

文系の時と比べると、文字が細長く、線も直線的でかなり角ばった印象を受ける理系文字。文系の１，２，５番のように縦幅と横幅が同じ文字を書いた人は皆無でした。

また、文系と理系で一番顕著に差が現われたのが、「市」のカーブの部分。文系の人はここをふっくら書いていたのに対し、理系の人はみなここを膨らまさずに書いてました。

ちなみに理系の人の字が角ばってるのは男性が多いからだと思ってたんですが、ＡとＢの文字は女性が書いたもの。こちらも性別はあまり関係ないみたいです。

さて、「文系の人は字が丸くて、理系の人は字が角ばっている」

という仮説からスタートしたこの実験。しかし実際に調べてみたところ…

◎文系の人＝字が丸い人もいれば角ばっている人もいる

◎理系の人＝字が角ばっている

という結果になってしまいました。
そこでこんな風に仮説を立て直してみることに。

「字が丸い人は文系である」

新たに立てたこの仮説。手持ちの年賀状だとまた印刷ものばかりなので、
今度はデイリーポータルの方々や知り合いの芸人さんにご協力いただき、
「あけましておめでとう」の文字を書いてもらいました。
（忘年会や仕事先で直接書いてもらった年賀状を使用）

ご覧のとおり角ばった字（長細い字）の方たちは文系理系バラバラ。
では、今度は丸い字を書いていた方々を見てみます。
これが全員文系だったら仮説成立です。