第1種目 セルフタイマー徒競争
「快晴のシンジュク・ギョエン・スタジアム、今回2012年ロンドン五輪の参考競技を狙う新競技・セルフタイマー五種競技のデモンストレーション初日が行われます。実況はワタクシ大坪、解説は大坪さんにお願いいたします。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
「今回初開催となるセルフタイマー五種、まずは代表選手による宣誓から行われます。まず自らカメラをセットして‥おッと大坪選手これはいけない、いきなり中心線からズレている!東欧の砲丸投げ選手を彷彿とさせるムッチリ体型に関わらず、右約2度ほどズレが見受けられます!解説の大坪さん、これはいきなり減点ですねぇ」
「スポーツマンシップの姿勢として許し難いですね、聖火点灯の際に点火台でなく端に停まっていたハトに火点けるようなモンですよ」
「さぁ、いきなり評価を下げた大坪選手、まずは陸上の花形『徒歩競技』からのスタートです。これは一体どういった競技でしょう?」
「セルフタイマーのボタンを押して全力疾走し、どれだけカメラから距離を離れ、なおかつどれだけ中心に写っているかを競う競技です。このダダっ広い場所でまっすぐに走るというのは結構至難の技ですよ。」
「大坪選手、入念なカメラチェックと方角確認の上でスタートラインに立ちました。このセッティングの際重要なことって何でしょう?」
「まずカメラを水平にセッティング、そしてフレームの中央に走る際の目安を作ることですね。地平線しかないような何も無いところでは、走る選手もドコ見ていいかわかりませんからね。今回の会場は比較的ランドマーク多いんですが、大坪選手は森のやや凹んでる部分を中心線に据えたようです。いい判断です!」
「はい、遂に走行許可の白旗が振られました。今回はスタンディングのスタート。‥緊張の一瞬です。シャッターボタンに手をかけて‥走り出した!」 |