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コネタ


コネタ1020
 
たこわさをわさわさ食べたい

 たこわさびが大好きだ。海の幸であるタコと、山の幸であるワサビのコラボレーション。そしてまた、タコの歯ごたえと、ワサビの香りが食欲をそそる。居酒屋の弁証法とは彼のことだ。

 この季節になると強く思うが、改めてたこわさが好きだ。大好きだ。白くて辛いところが好きだ。黒くなくて甘くもないところが好きだ。リボンとか絶対に巻かれない硬派なところが好きだ。チョコレートなんかは質に入れてたこわさが食べたいくらいだ。

 さて、どんな居酒屋にでもある定番メニューでありながら、よく考えると居酒屋くらいでしか食べられないたこわさ。大地震が起きて居酒屋が全部つぶれたら食べなくなるものNo.1だ。そんなたこわさショックに備えて自分でも作れるようにしておかないといけない、と思った。

 そんなわけで、近所のスーパーで見つかるものを使って自家製たこわさを作ってみることにした。手作りならきっと量もたくさんできるはずだ。

(text by 藤原 浩一

生たこが無い。

 たこわさを作ろうとスーパーに行ったら、気づくのが生たこが無いということだ。みんな加工してある。なんかよく知らないが、生は危険、ということだろう。

 無いものは仕方が無いので、生たこの代用として、蒸したタコを使った。


1cmくらいに切っていく。

 またこれとは別に、軟体動物ゆえにタコと並列的に立場を置かれるイカも用意してみた。こちらは生でも売ってる。食感は、もしかしたらこちらのほうが生タコに近いかもしれない。

まあ、イカで作ったら「たこわさ」じゃなくて「いかわさ」だけど。


BEFORE
AFTER

 切り終えたものは、塩でもんで放置。そして次なる問題に取り掛かる。

 

茎わさびが無い。

 スーパーには生たこも無いのだが、茎わさびも余裕の構えで無い。タコに、シャキシャキしつつピリッと辛いアレが混ざっていなかったら、それはたこわさではないではないか。

 ではどうするか。スーパーにこんなのが売っていた。


勝利の鍵

 このわさび漬けは、茎わさびを酒かすに漬けたものだ。ここから茎わさびを取り出せば良いのである。

 以下のようにしてこすと、茎わさびと酒かすに分けることができた。


ちょっとしたサバイバル体験。

 完成したものから原材料を取り出す、というのはなんともワクワクする行為だ。しかも思ったよりたくさんとりだすことができた。

 あまった酒かすのほうだが、わさびの風味は十分残っていてこれだけでも全然いけると思った。

 

おろしわさびは普段の感覚から言うとかなり多め。
まぜたら完成。

 後は、用意したタコ(イカ)と茎わさびを混ぜて、みりん、塩、だし、そしておろしわさびを加えるだけ。とても簡単。分量はお好みで、という感じだ。

 そうしたら、しばしの別れを惜しみつつも味がなじむまで冷蔵庫で数時間から1日置いておく。

 で、できたものがこれ。

たこわさ、わさわさ。
いかわさ、わさわさ。

 まず量が多い。居酒屋で出るような控えめな感じはない。これならわさわさ食べられる。

 食べた感想。

 蒸したたこで作ったたこわさはやはり生とは食感が違う。これはこういう料理としてみれば、普通のたこわさよりたくさん食べられる。

 いかわさの方は、見た目と食感は普通のたこわさに似ているが、味は何か足りない感じだ。醤油で味付けしたほうがおいしいみたい。


 そんなわけで材料が手に入れば意外と簡単に手作りできるたこわさ。恋するあの人がチョコ嫌いだったなら、たこわさでも作って「あっ、あんたがチョコ嫌いって言ったから、たこわさにしたわ! 気なんか使ってないんだからね! 義理よ、義理!」ってな感じで渡すのはどうでしょうか。

 と、超適当な提案をしたところで終わります。


 

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