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コネタ


コネタ1044
 
「あったか〜い」を冷ましてみる

「お!110円、安い!」じゃなくて、その下に注目。

前回のコネタで「弁当をあったかくする」てのをやってみたわけですが、いまやコンビニに行けばレンジもあればおでんにお茶に肉まんと、ホットな食べ物・飲み物のパラダイス。特に最近ではお茶をはじめとした定番ドリンクの「ホット版」も増えてきた。オレンジのフタのアレですね。

しかしあれらは「ホット専用」と書かれているけど、実際通常版と味は違うのだろうか?ということでいろいろと冷ましてみました。

(text by 大坪 ケムタ

ホット用お茶に明確な味の違いはあるのか?

コンビニ・自販機の「あったか〜い」の代表選手といえばお茶、ということでまずは最もポピュラーな緑茶代表で2種、その他代表で1種。あのパンダはUFOキャッチャーとかゴロゴロあったけど著作権とかどうなってたのかいまだに気になる『生茶』(キリンビバレッジ)、「イエモンって、もしかしてイエローモンキーの略称とひっかけたの!?」と今頃気づかされた『伊右衛門』(サントリー)、新CMのニュース記事タイトルが「ヤイコ&テヒ」で矢井田瞳とデヴィ夫人が!と驚かされた『爽健美茶』(コカコーラ)の3本を冷ましてみました。

コンビニで買った各お茶のホット&アイスを一昼夜寝かせて冷ましきった後、紙コップにあけてみる。

お、さっそく「生茶ホット」がひときわ色の違いを見せつけている。色・匂い・味など事務所の人間を捕まえて感想を聞いてみる。


今回の出場選手整列。
生茶なんか見るからに違うなー。

ぬるいお茶を飲ませて事務所の男衆に統計をとってみたところ。。

 

上段から生茶・伊右衛門・爽健美茶。いずれも左がホット、右がアイス。

『生茶』飲後感想

  • ホットの方が香ばしい。お茶パック入れたままのような濃さ。
  • ホットはほうじ茶っぽい。
  • あらためてアイスはあっさりしてるように感じる。比べると入れたてな感じ。

『伊右衛門』の飲後感想

  • ホットは味が薄く感じる。口に残る感じ。
  • アイスの方が味が濃くて、まろっとした味が口元に残る。
  • ホットの方が匂いがハッキリしている。

『爽健美茶』の飲後感想

  • ホットの方が匂いがきつい。味も濃くて苦みを感じる。
  • 3つの中では最も変わらない。
  • アイスの方が後味スッキリ。


と、全体的に「ホットの方が味が残り、アイスの方がのどごしスッキリ」という結果が。たしかに、グビーッと飲む冷たいお茶が香ばしいと飲みにくいし、熱いだけに一気に飲まないホット茶は味が残る方が楽しめるというもの。総じて「やっぱ、冷めてるとアイスの方が美味い」という結論に達したようです。

同じ疑問を持つ人は他にもいるようで、サントリーのHP内にある「お客様センターQ&A」によると、「温かくして飲んだ時にしっかりとした香り、コクが感じられるように、原料茶葉配合の微調整を行なって」いるとのこと。また、ホットウーロン茶ではアイスに入ってない茶葉を使用したりもするとか。

さすがに茶葉の鑑定まではシロートの舌では分からないけれど、味を堪能するならホット、喉を潤したいならアイスという分け方がされてるのは実感することが出来ました、ハイ。

 

「あったか〜い」専用を冷ます、すごい冷ます。

と、「やっぱりホットが一番ですね」と締めたところで満足いくわけがなかろう。ホット/アイス両方あるお茶の比較はしたけれど、「あったか〜い」はこれだけじゃない。完全なるホットオンリーの飲み物もあるじゃないか。


ゴマ、小豆、コーンと粒三昧です。

最近はコンビニでホットコーナーも年中あったりするけれど、まだまだ冬の飲み物の印象が強いこの3種。第二実験は彼らを冷ましてみます。

出場選手は『黒ごま+ココア』(サントリー)、『おしるこ』(アサヒ)、『じっくりコトコト煮込んだスープ』(ポッカ)。お茶のサッパリ具合をからりと忘れさせる、甘味満点!のどごしドロリ!の冬の定番選手が集結。といってもコレを普通に冷ましただけでは「あ、冷めてるな」としか言いようがない。ということで、


冷凍してみました。濃茶がココア、茶がおしるこ、クリーム色がスープ。

フツーに凍らせるのもつまらん、とハート形の製氷器で凍らせたところ普通にショコラっぽくなってしまった…。ま、スープなんかよく見ると氷っぽいけど。

どれも比較的粘質な液体なのもあって、流し込む作業は本物のチョコを冷やすかのよう。作ったのも2月中旬とあって男ながらにバレンタイン気分。届け、アノ人に手作りチョコ!(しるこ味とコーン味の)


コトコト煮込んだのも冷やせば台無し。
一晩コトコト冷凍し倒します。

で、肝心の味。まずは色的に最も違和感のある『じっくりコトコト煮込んだスープ』アイスを、かじる。

シャク、シャク、シャク…

結構水分が多いからかシャーベット状ではあるものの、味はコーン…というか、これはアレだ。カールだ!「カールうすあじ」っぽいコーン風味。ただしたまにコーンスープならではのリアル・コーン粒がガリリとクる。飲んだ時は嬉しいコーン粒も、こうやって食べる分にはあまり嬉しくない。

続いては『黒ごま+ココア』。ココアだけに味的には一番ビジュアルと調和しそうなのを期待したけれど…コレも水っぽさが上回り、「一旦飲み干した缶の底に溜まってるような薄味」という微妙な味。


切断してみるといかにも氷っぽい。
赤丸部分、ちゃんとコーンが詰まってます。

まぁ、いずれもコーン味・ココア味の氷、というレベルは超えないかな。やっぱりホットが一番…と思いかけながら、最後の「おしるこ」に手をかけた刹那!


シャク、というよりザクリという感触が!

うむ!?ただおしるこ缶を冷蔵庫で凍らせただけなのにムダな水っ気もなく、このしっかりした甘味!歯触りもしっかりしていて…

最後のヒトツ、「おしるこ」アイスうんめーーー!

味は予想どおりおしるこ味のアイス、いわゆる「あずきバー」みたいな味…というよりコッチの方が味が濃くない?しかもこれまでの2つが氷っぽさが抜けなかったのに対して、氷の極めが細かい。


ほんとにチョコケーキみたいな切断面。

「ホット専用」と書かれてはいるけれど、ひとつくらいはアイスと同等、もしくはそれ以上に美味いのもあるだろう!と冷ましたり凍らせたりした「あったか〜い」の旅もここに終わりを迎えた。たしかにほとんどの飲み物はホットで飲んでこそのもの。しかし最後におしるこアイスと出会えた事でこの旅も少しは報われたといえるだろう。

ともかくおしるこアイスは「ホットより断然美味しい!」とまではいわないけれど、凍らせて食べても全然アリ。お客様へのお茶うけに、お子様のおやつとして夏場に冷蔵庫で凍らせれば…

あ。夏売ってないんだった、おしるこ缶。


 

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