（text by 大塚 幸代）

小さい頃、ファンタオレンジが、ほんとうに好きだった。

色が好きで、泡が好きで、デザインが好きで。
もちろん味も好きで。
いっくらでも飲めると思ってた。
でも、ファンタはハレの日しか飲めない。お正月や誕生日、お客さんが来る日、そんなスペシャルなときだけ、お母さんが買ってくれる。
ファンタの出る蛇口があればいいなあ。
本気でそう思ってた。

でも、今、大人になって、ファンタくらいだったら10リットルでも100リットルでも買えるのに、そんなに飲みたくない。
焼酎で割ったら、やっと飲めるくらいだ。でも１杯で充分。
どうしてなんだろう。
人生はなかなかうまくいかないね。

−−−そんな訳で今回、思いつきで、ファンタでシャンパンタワーを作ってみたいと思います！　っていうか、最近ホストマンガ『夜王』を読破してしまいまして、タワーを実際試してみたかった、それだけの理由です。なんかこう、パーッとしたことがやりたいのよ！　
で、こちら個人開催の鍋パーティ終了後の、都内某所です。終電組が帰って、オールのイベントに行く組と、朝まで飲む組の５人の友人に協力してもらいます……やるよ！　さ、やりますよ！
一同：ウアーイ……。

−−−あれ、なにげに今回参加の皆さん、過去、当サイトの企画に出演してもらった方、ばかりだあ。
左から、外語大学の大学祭に連れてってくれたチェコ総合雑誌『ＣＵＫＲ』梶原編集長、CDJを教えてくれたインディーレーベル・ブルーバッジ主催のヒグマさん、都内うどんナビをしてくれた『うどんログ』のマツイさん、東京タワーの消灯を一緒に見に行った某誌編集部のニシさん、「メガネ男子」モデルをやってくれたエイプリルズのイマイさんです！　皆さん、大変お世話になっております！　おりますったら！　
一同：ワーイ！（無理矢理）
−−−……じゃ、つぎますか…。

梶原：……あふれてきちゃいましたよ。
−−−もうちょっと、いっちゃってください。
梶原：ハーイ。

梶原：床にあふれてきちゃいましたよ。
ニシ：……いやあああああああああ！

皆、グラスを飲み干すことが出来なかった。
私も飲んでみて、「やっぱり大人には甘すぎるな」と再確認した。「そりゃあ、コドモがこれをハイテンションで延々と飲んでたら、やばいんじゃないかって、大人としては止めたり制限したりしちゃうよなあ」と思った。

わかったこと。
100円均一のグラスでは、ファンタ・タワーは作れない（おそらくシャンパン・タワーも作れない）。
コドモの味覚は二度と戻らない。

……ところで、ライター古賀及子さんが今度、紙コップでシャンパン・タワーに挑戦するそうです。

そのときは本物のシャンパンでやるんじゃないかなーと思いますよ。ドンペリで！　ドンペリピンクでお願いします！