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コネタ


コネタ1077
 
羽田空港カレーめぐり
今、静かなブームの「空カレー」

みなさんは、空港でなぜか突然カレーが食べたくなったという経験をお持ちではないだろうか。

羽田空港駅でモノレールを降り、出発カウンターへと向かうエスカレータに身を任せると、どこからともなく漂うカレーのスパイシーな芳気。
思いがけず胃液が分泌されてしまう瞬間だ。

これは、 羽田に限らずどこの空港にもあるカレー屋さんの仕業だろう。
んん、悩ましい。 食べちゃいたいほどに。

そんな風に、空港を利用するたびにいつもカレーが食べたくなってしまうのでこの際、思い切ってカレーを食うために羽田まで行ってきた。

そして思い切り食ってきた。

(text by クドウ

東京の空の玄関口、そしてカレーの玄関口

空港カレーへのいざない

実家が北海道なので、帰省のたびに羽田空港を利用するのだが、その際にいつもカレーの香りに誘惑されてしまう。
それもそのはず、羽田には第一ターミナルだけでも13件、カレーを提供する飲食店があるのだ。(クドウ調べ)
とてつもないカレー密度だ。これではカレーが食べたくなるのも無理はない。

けれども実家に帰ればかあさんが、たくさんの手料理を用意して待っていてくれる。
だからいつもはぐっと我慢して、カレーへの誘いを断ち切って飛行機に乗り込むのである。

だから今日は、募る一方のカレーへの想いを遂げるため、思う存分空港カレーを食ってやるのだ。

KIHACHIのカレー。おいしそうだが今回は予算的にパス
白いニョロはなんだろうか。若干きもち悪い

 

ザ・金持ちカレー(とはいえ1080円)
ザ・銀の器(銀じゃないけれども)

せっかくだから、ちょっといいカレー

まずやってきたのはターミナル中央、ガレリアの4階。ファミレスチェーンでおなじみのROYALグループの店だ。

ちなみに羽田空港のカレーには上層階に行くに従って高級度を増すという法則がある。
まさにカレーヒエラルキー。

今回食べたのはその名も「季節野菜のカシミールカレー」である。
カレーボートに入れられたルウをごはんにかけて食べる本格派だ。

大きな牛肉がほろりとしていて、さらりとしたなかにもコクがある特製ルウととてもよくマッチしている。カレーといえばマッチでーすってな具合だ。

そして、食べる前はなんのこっちゃと思ったこのカシミールというネーミングも、一口ほおばってすぐに合点がいった。
これはカシミアのような舌触りだ。
だからカシミールカレーなのだと。

安達祐実もびっくりの具の大きさ
カシミール感抜群!

 

これぞ空港カレーといったたたずまいの北ウイング店
左右対称なカレー屋も珍しい、南ウイング店

 

羽田にはスタンドカレーがよく似合う

次に選んだのが北ウイング1階到着ロビーにある普通のカレースタンド「ライブカレー」というお店。

じつはこの「ライブカレー」 、同じフロアの南ウイングと北ウイングの2カ所に多店舗展開しているというのは意外に知られていない事実だろう。
入店の際はくれぐれもお間違えのないよう。(間違えても同じだけどさ、たぶん)

さて肝心のお味だが、今回食したポークカレー(630円)はまさにカレーの基本といったテイストにうまくまとめられている。
過不足のないカレー。
そうそう食べたかったのはこれこれ、という感じ。
カレースタンドのスタンダードカレーと呼ぶにふさわしい味だった。

おそらく、羽田空港にただようカレーの香りはこのお店からやってくるのではないかと思う。このにおいだ。

これこそが羽田を代表する味覚と言えるだろう。

どれを選ぶか迷うよ迷う
カレーの王道。おいしいよ

 

Burghers of Calais
茶色い写真が続くのでひとやすみ
ロダン作「カレーの市民」

 

こちらもごく普通のカレースタンドなのだが…

なるほどアイランドだ、これは

出発ロビーのカレー店

前日より体調を整えて挑んだカレーめぐりだが、やはりカレーを2杯食べるともうすでに満たされた感がある。
いや、「感がある」どころの騒ぎではない、たっぷり満たされている。
ここで休憩を入れてはさらに満腹感が襲ってくるので、間髪入れずに次の店へ。
一時間半でカレー3杯。

向かった先は、 出発ロビーにあるカレー専門店「チャオ」。

さすがにそろそろ飽きが来ているので、この店ではちょっと変わったカレーを食べてみることにした。

オーダーしたのは「チーズアイランドカレー」。
ごはんを島に見立てて、その上にラタトゥイユとチーズがのっている。
なんとも写真映えがしそうなヴィジュアルだったのでこれを注文した。
いわゆるジャケ買いだ。

率直に言って、味の方は期待していなかったのだが 、これが旨いのだ。
まずラタトゥイユがおいしい。野菜のみずみずしさが生きていて、トマトソースのほのかな酸味とよく合う。
そしてカレールウもほどよくスパイシーで本格的なのだ。

これはいい。また食べたい。
普段のランチにこんなカレーが食べられたら幸せだ。

チーズをからめてスプーンで
あれ?本格派

吐きそうだけど
カレーはおいしくてたまらないんだよ

すてきな空カレー

今回空港カレーめぐりをしていて、ふと気づいた。
なぜかお店の人がみんな優しいのだ。
空港に、ただカレーを食べに来ているだけのボクのような者さえも、すてきな笑顔で迎えてくれる。
それだけでボクは、まるでどこかに旅をしているような気分にひたれる。
これは街のカレー店では味わえない、空港ならではのホスピタリティーだろう。
それがボクを旅人にさせる。
そう、人はみな旅人なのだ。
旅立ち、ふと立ち止まり、カレーを食べる。
そしてまた歩き出す。
人生とはその繰り返しだ。


 

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