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コネタ1098
 
花粉症でも外で飲み食い出来るマスクを作る
 

花粉症の季節である。「今年は花粉の飛散量が少ない」なんて言われていたので期待していたが、実際フタを開けてみたらどうだろう。例年とそんなに変わらないように思う。朝、鼻炎薬を飲まないと大変な事になるし、外出時のマスクは欠かせない。花粉症歴が長い僕にとってこの時期はあきらめの季節な訳だが、それでも何とか快適に過ごす方法を考えてみた。

(text by 住 正徳

マスクをはずさないと飲めない。その時、鼻は無防備な状態に

普段から花粉対策の為にマスクをつけているのだが、これがかなり不便だ。飲み物を飲もうとしても、上の写真のようにいちいちマスクをはずさないといけない。それが外での飲食ともなるとマスクをはずす度に花粉を吸い込んでしまい、とても危険だ。

この状況を何とかしたい。

という訳で思いついたのがファスナーだ。
マスクにファスナーをつける事で、いちいちマスクをはずす事なく外でも飲食が出来る様になるのではないか?

で、東急ハンズでファスナーを購入した。10センチ尺のものを2つ。既製品の中では一番短いものが10センチだったので、1つは加工カウンターで5センチにカットしてもらった。


ファスナー(上10センチ、下5センチ)

このファスナーを使って、10センチタイプと5センチタイプ、2つのマスクを作成する。


ノーマルなタイプのマスクを加工する

花粉対策用の立体的な形状のマスクを加工するのは難しそうだったので、土台となるマスクにはノーマルなタイプのマスクを使う事にした。

このマスクに穴を開け、そこにファスナーを装着するのだ。


全自動ミシンを使って

まずは5センチタイプから、口元の辺りに長さ5センチ幅5ミリ程度の穴を空けた。ガーゼ地はほつれやすいので、「たち目かがり」で裁断した布端を加工する。

「たち目かがり」なんて、いかにも裁縫を知っている風に書いてしまったが、ミシンのマニュアルに書いてあったので、そのまま参考にさせてもらった。ほつれないらしい。


穴加工終了

「たち目かがり」加工が終わり、まずは穴が出来上がった。5センチタイプ、10センチタイプとも「たち目かがり」のお陰で丈夫な穴になった。ほつれも一切ない。

次にマスクの裏からファスナーを縫い付ける。ファスナーで穴を塞ぎ「花粉症でも外で飲み食い出来るマスク」が完成した。


完成。左:5センチタイプ、右:10センチタイプ

5センチタイプと10センチタイプ、それぞれTPOにあわせて使い分ける。

 

マスクをつけたままでも飲めてる

ファスナー付きのマスク(5センチタイプ)を使って、オープンテラスでスターバックス・ラテを飲んでみた。

上の写真でも明らかに様に、完全にマスクに守られたままスターバックス・ラテを飲めている。もう無防備な鼻ではない。


口元の様子

ドリンクに関しては5センチタイプのマスクで完璧に花粉を遮断出来る事が分かった。喫煙者はファスナー越しにタバコを吸う事も可能といえよう。

次に食べ物を試す。
食べ物の場合は、口元が大きく開く10センチタイプのマスクを使う。


10センチタイプを装着

おしゃべりが過ぎない様に口にチャック。みたいな状態になっているが、食べ物を通すにはやはりこれくらいの長さが必要だろう。


バナナを

試しにバナナを食べてみたが余裕だった。
これなら、他の食べ物でも十分に対応出来ると思う。

また、歯医者さんが患者さんに話しかける時もいちいちマスクをはずして大変そうなので、このマスクの使用をお勧めしたい。治療時はファスナーを閉めて、しゃべる時はファスナーを開ける。そうすることで、今よりも合理的な治療が実現出来ると踏んでいる。


完食できたし

という訳で、今回の試みはほぼ成功したといえるが、以下、若干の課題も残った。

・ファスナーを開け閉めする際、気をつけないと唇がひっかかってしまう為、安全面に不安が残る。

・特に食べ物の場合、ファスナーやガーゼに食べ物が付着して汚れる為、衛生面に不安が残る。

この辺りを考慮していただき、どこかのメーカーさんがこのマスクを商品化していただければ幸いです。花粉症でも外で飲み食いがしたい。そんな花粉症患者の願いを叶えて下さい。

以上、宜しくお願い致します。

 

 

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