トンネルといえば川端康成の「雪国」である。
> 国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。
しかし、入り口と出口で劇的に景色が変わるトンネルなんてそうそうない。どこにいってもたいしてかわりばえしないのさ。と斜に構えてみるが、考えてみたらトンネル自体が変わった場所じゃん。
ほんとに好きなのは雪国じゃなくてトンネルなのではないか。だから「雪国」の内容は知らなくても冒頭の一文だけ知っている人が多いのだ(僕もそう)。
どこかに行くためではなく、純粋にトンネルが好き。終わらないトンネルがあればいいのに。今回、10ケ所のトンネルを抜けてみて思った。
これからもトンネルを見かけたら無目的に入ってみたいと思う。
この年末年始は帰省ではなくトンネルめぐりをおすすめしたい。実家の母親に「トンネル行くから帰らない」と言うとトンネルの闇はいっそう深みを増すかもしれません。もちろん象徴的な意味でですよ。
(おしまい)
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