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1月のテーマ:汁


はっけんの水曜日
1月の海でビール鍋
ばばばばばばば(注入)

先日ナベをしたとき。秋田出身の友人が、キリタンポを投入したときのことだった。
「秋田とか、料理がみんな美味しそうですよねえ。いいなあ。私、実家が埼玉なので、日本中に知られるようなパッとした郷土料理って、無いんですよ」
「そうなの?」
「ナベとかも、変わった味付けをしないし。というか、うちは水炊きばっかりやってたし………あ、水の代わりにビール入れたりはしたけど」
「はあ? ビール?」
「ええ、ビール。ビール鍋」
「それ変だよ、変! すごく変!」
「え……」
「埼玉の人は、みんな、そんなナベなの?」
「いや、これは別に埼玉とは全然関係ないですけど、ウチでは普通に………」
「変! 変だよー! 変! 変! 変!」
衝撃であった。小さいころから普通に食べていたものが、そんな変わった料理だったなんて。知らなかった。

じゃあ作りましょうか……というわけで、ビール鍋をご用意しました。さてお味は?
(text by 大塚幸代





1月某日、晴れ。
私たちは
城南島公園にいた。ニフティのお膝元、大森からバスで15分の位置にある海浜公園だ。

「ビール鍋」………私のとってそれは、面白くともなんともない料理だ。何しろ物心付くころには、うちの実家の鍋にはビールが投入されていた。何がキッカケかは分からない。
別に特に美味しいとも思わない。味の特徴を人に説明するのも難しい。それは、米を食べる習慣のない外国人に「タキタテノ、ゴハンッテ、ドンナ味デスカー?」ときかれても、きっと説明出来ないのと似ている。

「寒いところで暖かいものを食べたら、ものすごく美味しいにちがいない。たいしたことないビール鍋も、美味しいって思うかも」。
そういう発想のもとに「冬、海のそば、屋外」というシチュエーションを用意した。しかしこの日はたまたま暖かい日であった。あらま、日頃の行いが良いせいなのか悪いせいなのか………と思いながら材料を広げる。

同行してくれたのはニフティの林さんと、友人のお食事サイト『原因と結果』主催のタカセさん。
男1人と女2人でアウトドアクッキング、まるで『海ごはん山ごはん』じゃないか。(むかし、ドリカム構成のさわやかな非カップル男女が、ボーダーのシャツとか着て、アウトドアで料理を作るというテレビ番組があったのです)。




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