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2月のテーマ:愛


ロマンの木曜日
愛の献血ルーム


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1人1台、テレビがついている

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消毒が終わり、いよいよ献血

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ほーら、良くなった

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これが僕の善意400mL

●いよいよ献血

献血用のベッドにはそれぞれテレビが設置されていて、横になると市原悦子のドラマがやっていた。
一応リモコンがあってチャンネルを選べるようになっているのだが、看護婦さんの趣味で市原悦子を見ていたとしたら申し訳ないので市原悦子のままで。

「今日は400mLでお願いしますね」
看護婦さんがやさしく声をかけてくれる。良かった、チャンネル変えなくて。

右腕を消毒し太い針を刺され身動きが取れなくなると、時計じかけのオレンジな気分になってくる。

機械がウィーンとうなりをあげ、チューブを伝って血液が逆流していく。
「それ、何ですか?」
看護婦さんが僕の持っていたサイバーショットUを指差して聞く。
「これ、デジカメです」
「へぇー!そんなに小さいんですか?」
凄いリアクションだ。
「ええ、最近は何でも小さくなりますから」
「重いですか?」
「持ってみます?」
看護婦さんにサイバーショットを渡す。重さを試すようにサイバーショットを持った右手を上下させる。
「結構軽いですね」
その後、暗い所ではどれくらい撮影出来るのか?とか、パソコンがなくても見れるのか?とかサイバ−ショットについて色々と質問される。
「いやあ、デジカメっていいですね」
「はい、結構便利ですよ」
動画も撮影出来る、って説明をしようとしたら
「はい、もう終わりました」
とものの5分程度で、400mLの献血は終わってしまった。

 

看護婦さんが色々と僕に話しかけてきたのは、献血中に気分が悪くなったりしないように気を紛らすための配慮で、デジカメなんて多分興味なかったのだ。周りの看護婦さんたちも、それぞれの献血者に色々と話しかけている。

サイバーショットを持っていなかったら、僕は何の話題を振られたのだろうか?



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