女ばっかりのホーム
金曜日夜23時、K線のホームに立つ。
さあ、女性専用車両だ。親切に看板が出ている。女性専用になっているのは、いちばん後ろの1両のみ。
まず、ホームを見てぎょっとした。
女、女、女ばかり……。
年令は20代から30代が多いように見えた。K線がオシャレな町を通る線路なせいか、小綺麗な女のコが多い。茶色い髪をうまくゴムと髪止めでアップして、エリを立てた白っぽいスプリングコート着て、レーヨン花柄のスカートはいて、というような、大雑把なイメージでいうと通信販売カタログ『イマージュ』の路線。
乗り場には警備員がひとり、立っていた。
たまに、不思議そうな顔をして、まぎれこんでしまう男性に、
「ここ、女性専用車両なんですよ!」
といちいち注意していた。注意された男性は、
「あ、どうりで」
と頭をポリポリかきながら、曖昧な表情で移動していく。
人件費もかかっているんだな、スゴイな、と感心。
ドアが空いた。押し合いもなく、おだやかに皆、乗り込んだ。
|