到着
滑走路を眺める。飛行機が飛ばないあいだは静かだ。
となりにあるスタジアムから聞こえてくる応援の音。向かいのグラウンドの草野球の金属バットの音。あとは鳥の声。チチチ。
ちなみに隣にあるのは味の素スタジアム。うまみ調味料の博物館ではない。東京スタジアムがネーミングライツ(命名権)を売ったのだ。
飛行機が降りてこないかと耳を澄まして音を探す。
パパパパ(高い音)
遠くでエンジン音が聞こえる。飛行場入り口の芝刈り機の音だと思っていたら飛行機だった。エンジン音が大きくなって、やがて目の前の滑走路に着陸した。着陸したときにタイヤがキュキュキュ、と鳴った。そういう細かい音が聞こえる。ロッテ浦和球場で選手の生ヤジを聞いたときの喜びに近い。
飛行機から乗客が降りてきた。
驚くぐらいラフな服装。パーキングエリアでバスから降りてきた人のようだ。
乗客と操縦士が降りて、燃料を入れたりガラスを拭いたりして(って書くとガソリンスタンドみたいだ)、再び出発。
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