●11時、林さんダウン
練習開始から30分が経過した頃、林さんの顔色が急激に悪くなる。 「どうしました?」 「ちょっと、酔ったみたいです……」
この日は雨が強く波も高かったためフェリーは大きく揺れていた。 その揺れの中、慣れない運動を強いられ林さんの三半規管は悲鳴をあげた。教則本の細かい文字を読んだ事も船酔いに追い討ちをかけたのだろう。
「ちょっと、休んでもいいですか……」
林さんは客室で少し休む事に。 そして、僕の1人特訓が始まった。
●11時〜14時、孤独な戦い
3つのボールでジャグリングする事を「カスケード」と呼び、それがボールジャグリングの基本となる。いきなり3つのボールでは難しいので、ビデオでは2つのボールでのカスケードから始める様になっている。 「右手、左手とも同じ高さで投げます」 ビデオでは簡単に言っているが、左手で右手と同じ様に投げるのが難しい。 ビデオに自分の姿を撮って動きをチェックする。
2つボール・カスケード
→Real Player(300k) →Real Player(56k)
→Quick Time Player(300k)
左手の動きが今一つだ。たまに外側から投げてしまっている。カスケードは体の内側から頭上に投げ上げるのが基本で、それが出来ていない。それに、腰付きが変だ。 ビデオのお手本ではあんなにクネクネしていない。
雨が更に強くなって来たので室内に移動し3つボールカスケードの練習に入る。 相変わらず腰がクネクネしてしまう。余計な力が入っていて、体の軸がブレているのだろう。体のブレを矯正するため、ベンチに座って3つボールカスケードを練習する。
ベンチに座って3つボールカスケード
ふと時計を見ると13時過ぎ。 あっという間に3時間もジャグリングに夢中になっていた自分に気付く。 やはり10時間くらいでは無理なのでは?焦る気持ちを抑え、お昼御飯を食べる事に。 そうは言っても息抜きも大切だ。