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フェティッシュの月曜日
八丈島の光るキノコ


八丈島にきた。光るキノコが生えているというのだ。

電気も使わずに植物が光るというのがよくわからない。光るというハイテクなイメージと、キノコの原始的で粘着質なイメージが似合ってない。すこしエロティックだと思う(少なくとも僕は)。

梅雨まっさかりの6月下旬、光るキノコがハイシーズンだという。いてもたってもいられず、八丈島にやってきた。(text by 林 雄司


緑がうっそうとしている。東京都八丈町。

八丈島きのこ研究会の市野さん

この天井も市野さんが作った

八丈島のネコ。誰にでも愛想をふりまいてた

八丈島の印象

八丈島は羽田から飛行機で45分。いちど大島に行ったことがあるが、大島とは景色が違う。緑の密度が違うのだ。

なんというか、葉っぱの輪郭がくっきりしているような気がする。一枚一枚の葉っぱが「葉っぱ!葉っぱ!」と自己主張をしている。シダ植物が多い。

たしかにここならキノコが光っているかもしれない。

 

これがスローライフってものか

八丈島きのこ研究会の市野さんにお話を聞いた。今回の光るキノコのガイドをつとめてくれる。まずは基本的なことを教えてもらう。

・光るキノコには5種類あって、なかには図鑑に載ってないものもある。
・10本も集まれば字が読めるぐらい明るい
・光るキノコは大分、和歌山、宮崎にもあるらしいがよくわかっていない

「八丈島はヒマな人が多いんで、光るきのこを調べてるんだよ。あはははは。」
と語る市野さん。もちろん八丈島への愛あってこその発言。聞くと、市野さんは有楽町で働いていたが、10年前に引退して八丈島に着て、自分の家を自ら(!)建てたのだという。「北の国から」みたいだ。

市野さんのお話はロッジワイルルというペンションで聞いていたのだが、ここのレストランも市野さんとワイルルのご主人がふたりで建てた。
「でも、設計図もなく行き当たりばったりで建てて、珍しい飛行機が上を通ると30分ぐらい二人で夢中になってさあ」
飛行機好きとしてはその気持ち、わかります!

なぜキノコが光るのか

なぜキノコが光るのか、についても伺った。
「虫を集めて胞子を持っていかせる説があるんだ」
「あ、ミツバチみたいですね」
「でも、虫が集まってないんだ」
「ああ……」
「あと、光ってるとナメクジが食べないって説もある」
「あ、なるほど!」
「んー、でもナメクジはむしゃむしゃ食べてるんだよ」
「むしゃむしゃですか……」
「理由もなく光ってるんじゃないかと思うんだ。星だって勝手に光ってるわけだし」

ただ意味なく光る。ロマンチックで哲学的な説だ。さっきの設計図もなく家を手作りすることにも通じるチャーミングな考え方だと思った。



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