文房具が好きで会社の引き出しには一生かかっても使えないぐらいのペンが入っている。
なにげない工夫や発明が文房具の魅力だ。消しゴムで消えるボールペン、長時間握っていても疲れないペン。「象が踏んでも壊れない筆箱」の延長線上だ。
ちょっとした工夫で億万長者。文房具の新製品にはそんな牧歌的な雰囲気を感じる。ということで今回は東京ビッグサイトの「国際 文具・紙製品展」からお送りします。(text by 林 雄司)
ブラックライトで見えるペン
大王製作所の「隠恋慕(かくれんぼ)」。
ブラックライトを当てないと見えない文字が書けるのだ。おおおお。なんかすごい。スパイのような、エロティックなような。秘密めいている。
実演販売を見て即買いしてしまった。
こういうのですぐ買ってしまうタイプの子供だった。なにに使うかは、いま考え中だ。
おちないしおり
「しおり」ってもう進化のしようがないものだと思っていた。死火山みたいなものだと。
でも、そのしおりが進化した。僕は人類の何かターニングポイントに立ち会っているんじゃないか。
そんな興奮をおさえつつ買ったのだこのしおりホルダーだ。表紙にしおりを固定するのでひもが落ちない。 ひもが落ちない。 ひもが………。
いま自宅で撮影しながら考えている。なんでこれを買ったのかを。
テンプレートつき筆ペン
トンボの新製品の筆ペンには初回限定でまっすぐかけるようにテンプレートがついている。
一時期はやった眉毛プレートに似ている。
テンプレートのあいたスペースにはのし袋に書く漢数字の対応表もついている。壱、弐、参ぐらいは知っていたが、六は「陸」なのだ。陸萬円。ふつうに「りくまんえん」って読むな。きっと。
修正液の代わりに使う修正テープはすっかりおなじみだが、テープを貼りすぎてしまったとき用の消しゴムも置いてあった。
「修正の修正」だ。
こすると確かにきれいに取れる。
修正液ひとつにしても、僕の考えが及ばないところまで行ってしまった感がある。進化したのかどうかはよくわからないが、遠い。