なんば駅に着くと、急にホームに人が多くなった。週末の終電まぎわの新宿駅のようなザワつき。
対抗して歩いてくる人の顔はみな、歓喜にあふれていた。……というか、優勝した瞬間から既に数時間たっていたせいか、「笑い疲れて半笑い」のような顔になっていた。
地上に出ようとすると、どーんどーんと地響きがして、六甲おろしが聞こえてきた。
そこで見えたのは、路上で、歌い騒ぎ、タイコ鳴らす、風船飛ばす、酒を飲む、阪神ファンの群れ、群れ、群れ。
よく見ると、歩いてる人の平均年令がやたらと低かった。20歳前後の人が、一番多かったんじゃないだろうか。
パトカーのスピーカーから「危険な行為はやめなさいッ」というヒステリックな声がした。大量の警官が立っていた。逆に騒ぎは盛り上がる一方。
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