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特集


ロマンの木曜日
火を起す
 
炎のコマに全てを託し、火を起す

舞ギリ式

舞ギリ式を譲ってくれた千葉県立房総風土記の丘に電話をかけ、火起しのポイントを聞いた。
 
まず、陸上競技のスタート姿勢の様に片膝を立て、ひきり板(芯棒に摩擦される方の板。両淵12箇所に直径1センチ程の小さな窪みがあり、そこに芯棒を立て回転させる)をおさえます。
後は力を使うというより、リズミカルに腕を上下に動かしてはずみ車を回転させて下さい。そうすると窪みから煙りが上がり、茶色い粉が出て来ます。そこに火種が出来るので、出来た火種を同封した麻繊維に着火させ、息を吹きかけ火を作ります。
 
ポイントはリズム。
リズミカルな上下運動で炎のコマを回していく。

茶色い粉が出て来た

やり始めると思ったよりも難しい。すぐにひきり板の窪みから芯棒がはずれてしまい、中々摩擦熱が起きるまでに至らない。
 
キュッ、キュッ、キュッ、キュッ、
木と木が擦れる音が近所に鳴り響く。
引っ越してきてまだ間もないけど、大丈夫だろうか。
「うるさいなあ」って思って外を見たら、見慣れない道具を使って火を起している。
面倒臭そうな人が引っ越して来たなあ、って思われないだろうか。
 
20分くらい作業するうちに、段々と要領を得てくる。
はずみ車の回転がリズミカルになっていき、窪みから煙りが上がってくる。
 
周囲に魚肉ソーセージの様な匂いが立ちこめた。

ついに火種が!

煙りが上がってから2、3分。魚肉ソーセージの様な匂いは完全に焦げ臭い香りに変わる。
そこで力を抜かずに更に上下運動を繰り返す。そして、ついに火種が見える。
 
おおっ!
 
ここまで辿り着くまでに30分以上はかかっている。
この火種を大切に育てなければならない。

火種を移す

火種を麻繊維に移し、息を吹きかける。
すると、火種が繊維に浸透していき、やがて静かな炎となった。

ドキュメント激闘40分
「僕たちが火を手にいれるまで」

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キャンドルランタンに点火

麻繊維から上がった炎を付け木を介してキャンドルランタンに移した。
キャンドルの寿命は3時間30分。
その時間内で有意義にこの火を使い切ってみる。



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