リボンをかける
その辺に転がった物を、包んでリボンをかけてみた。携帯電話、バナナ、マンガ雑誌。どれも、普通だったら一生リボンなんかかからないような品々。
わかったこと
・どんなものでもプレゼントみたいになる。
携帯電話は電話帳メモリごとプレゼント。困る。もらった人も、あげた本人も困る。でもリボンをかけたからにはプレゼントになってしまう。
バナナやマンガ雑誌には物語を感じる。病気のおじいちゃんに、自分のおやつのバナナを我慢してプレゼントする孫、みたいな、ふれあいの物語。
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ただの紙で包む
同じように身の回りからランダムに選んだ物を、今度は無地の紙で包んでみる。
期限切れの定期、まつげをカールさせるビューラー、めざまし。またプレゼントみたいになるのだろうか。
わかったこと
・プレゼントみたいにはならない
・何かを隠してるみたいになる
期限切れの定期券には何の罪もないのだが、こうして包まれると何か悪いことにでも使われたかのようだ。JR五反田、新大久保間で、一体何が!? みたいな警察沙汰ノリ。通勤してただけなのに。
単なるビューラーも、女のまつげを極限まで立ち上げる、あやかしの一品、みたいな風情。
目覚ましに至っては、包まれた中からかすかに聞こえる秒針の音が圧倒的にヤバげだ。
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新聞紙で包む
石焼きイモは 新聞紙に包まれている。新聞紙で包めば、何でもほのぼのした暖かい雰囲気になるのだろうか。
わかったこと
・ほのぼのした感じにはならない
・さらに何かを隠しているみたいになる。
ただの紙で包む以上に隠している感が強まった。直で犯罪のにおいがする。
薬はいくら瓶のラベルに「ワカ末」と書いてあっても、新聞にくるんであったと思うとどんなに下痢でも普通には飲めない。
ハサミは現場から出た凶器のように。ハンコは、新聞で包んだだけなのに、持ち主の安否が気遣われる。
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ビニールで包む
新聞紙でああなるのであれば、ビニールパックに入れれば……。
わかったこと
・証拠品になる
やっぱりだ。申し訳ないほど狙い通り、全ては「物証」みたいにになってくれた。歯ブラシだけはややフェチの香りも。
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大きなものを包む
包む対象を身の回りの雑貨にすると、ポイントは何を包むか、よりも何で包むか、になってしまうようだ。
包み紙のインパクトに負けない物ってなんだろう。大きなものか? テレビ、自転車、イス。身の回りのちょっと大きな物を包んでみた。
もしかしたら現代美術みたいなアーティスティックなことになるのでは。
わかったこと
・引っ越しみたいになる
この状態は見たことがある。引っ越しだ。なるほど、家具や家電は包むと引っ越しになる。
テレビは、勉強しない子供に怒ったお父さんがテレビ禁止にしちゃったという感じにも受け取れる。自転車はただ雨よけにその辺のボロを掛けたみたい。
どっちみち、あまりありがたい感じではない。
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小さいものを包む
続いて 小さい物はどうだろう。米粒とか、豆とか? 素直に包んでみた。
わかったこと
・手先が器用になるための修行みたいになる
ピンセットを使って悪戦苦闘の上、ようやく包装した豆、米、ゴマ。糸をリボンみたい掛けてみようと思ったが上手くいかない。テレビチャンピオンの「手先が器用選手権」(※)みたいになってきている。
米粒に文字をいっぱい書く人が修行を積んで書く文字数を増やしていくみたいに、小さい物を包むのには修行が必要なのかもしれない。
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テレビ東京系列の番組。サイコロをピラミッドみたいに積み立てたり、すごい小さなドミノを作ったりして、いかに手先が器用かを競う。 |
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いっぱい包む
クッキー缶を覗いたら、中身は個包装になっていた。追い打ちをかけるように一つ一つをさらに包んでやる。これでもか、これでもか、と包み込む。セルフ過剰包装で高級感アップを狙う!
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わかったこと
・奇特な感じになる
高級感というよりも、会社に持っていくお土産を一人一人に渡すためにわざわざ包みました、という奇特な人みたいになった。そんな人いない。
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