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ロマンの木曜日
 

裏を読む

レシートたち

落ちているレシートやパスネット。そこに印字された活字から、それを捨てた人間の行動や性格を推察出来ないか?46枚のレシートと20枚のパスネットの中から、これはっ!と思えるものをプロファイリングしてみました。

この後、衝撃の人物像が浮かび上がります。

(text by 住 正徳


まずはレシートから裏を読む

カテゴリー毎にレシートを整理

まずは拾ったレシートに印字された買物や食事の内容から、そのレシートを捨てた人物の事を想像してみたい。

サンプルとなるレシートをゲットする為、スーパー、コンビニ、居酒屋の店先に落ちているレシートを探して歩いた。合計46枚のレシートを拾う事が出来たので、それらをカテゴリー毎に分類してみた。
・スーパー…7枚
・コンビニ…25枚
・居酒屋…7枚
・ドラッグストア…7枚

これらのレシートに目を通し、気になるものに付箋を張っていった。経費精算の様な作業だが、この中に僕の買物は1つもない。


写真1:イトーヨーカドーのレシート
写真2:サンクスのレシート

「スーパー、コンビニのレシート」

写真1のレシート。イトーヨーカドー大井町店、2月3日(火)14時29分に発行されている。
買物内容は「ファンタ青リンゴ500ml」。これは中学生の買い食いに違いない。ファンタの青リンゴを500mlも欲しているところを見ると、部活帰りで喉がカラカラだったのだろう。123円の買物に203円渡しているあたりから、几帳面な一面もうかがえる。そんな真面目な性格なので、買い食いが両親にバレる事を恐れている。レシートをクシャクシャに丸めて店の外に捨てたのは証拠隠滅の為だ。周囲の目を気にしながら、店先でファンタを一気に飲み干す様子が目に浮かぶ。

そして、写真2。
サンクス大森店、2月2日18時45分の発行だ。買物内容は「油性ボールペン赤0.7」のみ。赤ペンでまっ先に思い浮かぶのがギャンブラーか添削の先生だが、油性ペンなのでその線は消える。いずれも裏写りがする油性ペンではなく、赤鉛筆を使っているはずだ。
油性の赤ペンを日常的に使っている人物……、考えられるのは大工さんか溶接関係の人。木材や鉄に寸法を書き込む為の赤ペンだ。しかし、ここで問題になってくるのは0.7ミリというペン先。大工さんや溶接工だったらもっと太いペンを使うはず。となると大工さんではなく、溶接工の中でも特に精密機器に携わっている人。つまり溶接工場で歯車を作っている人、という事になる。


写真3:和民のレシート
和民でくろかめグラスを

「居酒屋のレシート」

次に写真3、居酒屋「和民」のレシートだ。2月2日22時57分に発行されている。2名と書いてあるので、カップルだろう。
レシートの中段の「くろかめグラス」を皮切りに、くろかめ、グレープフルーツサワーの攻防が続いている。
男がくろかめ、彼女がサワー。
男「まじうまいって、くろかめ」
彼女「でも、強そうだし」
男「いや、大丈夫だって」
彼女「明日仕事だし」
男「まじ大丈夫だって」
というやりとりがあったが、結局最後まで彼女はくろかめグラスは飲まなかった。男がそこまで執拗にくろかめグラスにこだわったのは、彼女を酔わせたかったから。そう、2人はまだ一線を超えてない。この日、くろかめグラスに募る思いを託したが、もろくも失敗に終わってしまった。
「終電があるから」
と23時前に店を出るのもいつも通り。結局自分だけが酔っぱらってしまい、1人空しく終電ラッシュにもまれて帰って行った。


段々妄想の様になってきていますが、まだまだプロファイリングは続きます。

 

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