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特集


ちしきの金曜日
 
ダジャレ現実化プロジェクト
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『そんなバナナ!』──老若男女を問わず、人間関係の潤滑油として用いられるダジャレ。

時に場をしらけさせたり、話の腰を折ったりすることもあるわけだが、そんなリスクを背負っても人はダジャレを言うことをやめられないでいる。

手垢にまみれてなお光を放ち続けるダジャレたち。僕らはダジャレが大好きだと決め付けたい。

世知辛い世の中にうるおいと半笑いをもたらす愛すべきダジャレたち。今回ばかりは単なるダジャレで終わらせたくない。口先だけではないその実像に迫ってみよう。

(text by 法師丸



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『アルミ缶の上にあるミカン』
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『レモンの入れもん』
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『プリンがたっぷりん』

そこにあることで成立するダジャレたち

きらめくダジャレのマスターピースの中には、そこにあるというだけで成立するものがある。

例えば名作ダジャレ『アルミ缶の上にあるミカン』。多くの方が知っているダジャレだと思うが、実際その状態を目にしたことのある人は少ないだろう。冷静に振り返ると意外に現実生活で目にすることのない状態である。

イマジネーションとしてのみ成立していたこのダジャレを現実に再現してみた。どうだろうか。

いや、どうだろうかと問うてはみたが、そう聞かれても困るだろう。ミカン、そしてアルミ缶がそこにある、としか言うことができない。

特にこれといった感動はない。

同様のことは『レモンの入れもん』にも言える。ただそこにあるという感じ。

ダジャレに対して否定的な見方をする人たちは、時に『つまらないダジャレを言うな』といったことを口にするようだが、これはあくまで現実。有無を言わせない存在としてそこにある。レモンの入れもん、レモンの入れもん、と意味なく連呼してやりこめたい。

そこにあるだけで成立という意味では、『プリンがたっぷりん』も当てはまる。

スーパーに行けば普通に遭遇する状況であるこのダジャレ。つい見過ごしがちであるのは、ダジャレというものはそれを見出そうという心があって初めて成立するということを逆説的に教えてくれる。

それだけに『たっぷりん』という言い回しにわざとらしさがあるのは惜しい。そうした意味でも、前述の2つのダジャレに比べると、スター性という部分で劣ると言わざるを得ない。

 


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『石が…
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ストーンと落ちる』

ダジャレインターナショナル

ただそこにあるものにちょっと手を加えて成立するダジャレというものもある。例えば『石がストーンと落ちる』がそうだ。

ただの石を落っことすことによりダジャレ化。落下という物理現象を利用したダジャレである。

また、このダジャレは、『石』は英語で『ストーン』であるという教養を前提としたダジャレでもある。予備知識を必要とする意味では多少敷居が高いが、ある程度の英語語彙力はダジャレの世界を広めることに役に立つ。

英語を利用したことで、日本のみのダジャレではなく、ワールドワイドな進出も視野に入ってくるダジャレであると言える。


 

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