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特集


エキサイティング火曜日
 
学校の銅像めぐり

東京工業大学

3月一杯は、校内の桜を一般に公開している。行ってみたら中央の広場に見事に咲いた桜の木があった。

が、カラスも大勢いた。下のゴミ箱狙いだ。失礼にも、この学校に多大な貢献をされた手島精一先生の座像の頭に乗っているぞ!

そう、座像である。おすわりになっている。

座っているせいか、まわりの雰囲気も、カラスの鳴き声を除いて妙に和んでいる。像の周りのスペースは、今までまわった中で一番余裕があった。アッパークラスの銅像だ。私もこういう銅像になりたい。立ってると疲れるし、足むくんじゃうし。

もちろん落書き類はまったくなかった。


桜と校舎。自分の新入生のころを思い出した。
撮影している私が映りこむほど、ぴかぴか。
すごく自然な座り姿勢をとらえているような。
後ろからだとただの「いすの像」だ。

東京農業大学

世田谷に農大を訪ねる。創立は1891年、榎本武揚によってだが、この像、横井時敬氏も多大な貢献をされたとある。

像の後ろに、「東京農業大学 基準点」の印が立っている。だからかどうか知らないが、像の周囲の雰囲気は明るい。これもまた幸せな銅像であろうか。もう落書きを探す気分ではなくなっていた。

像の横に氏の言葉が掘られている、というパターンは初めて見る。

しかし、自分がもし銅像になるとしたら。いつも口にしている言葉が刻まれるのだ。なんだろう。「まあそんな感じで」とかなのか。それとも「今日はいい日だ!」かしら。


学校の中心地に建つ。
すごくりっぱだ。
稲のことは稲にきけ 農業のことは農民にきけ
どうやって決めるんだろう。基準点。



いくつもの学校に、銅像にかこつけて、学生ヅラして入っていったわけだが、なんだか久しぶりの空気を吸えて面白かった。

新しい世界、学問への期待。そしてすぐにやってきた現実。理想の崩壊。そんなものをも思い出し、今からでももうちょっと取り返さねば、がんばらねばと思い直しました。

ところで、銅像に落書きは妄想でしかなかった。疑ってすまん、現役よ。まあ、文化祭直後だったらどうだかわからないけれど。

いえ、落書きはしちゃだめですよ。



 

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