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特集


エキサイティング火曜日
 
宝石を見分けよう

宝石を買うことにはあまり縁がないが、宝石自体には興味がある。

きれいだからだ。単純な理由だ。

そんな宝石を扱う仕事につこうかと、「宝石鑑定士」の資料を取り寄せたこともある。勉強には莫大なお金がかかるのだった。挫折した。

それから10年。実際に宝石鑑定・鑑別の仕事を見てみたいと思い、ある研究所にお邪魔した。凝り性な鑑定士さんが、そこにいた。

(text by 乙幡啓子



ねんどを置くのは、ガラスとのすきまをあけるため。
そうやって撮った写真。
「英語の教材ですか!」「まあ、同じ言葉が何回も出てきますので、覚えますよ」

世田谷線に乗って訪ねる

「世田谷宝石研究所」という名前に惹かれてアポイントをとった。鑑定士・藤岡さんは事前にデイリーポータルを熟読してくださり、どういう写真が望ましいかを考え、「最適な写真を、撮っておきました。」というではないか。なんと協力的な方だろうか。

世田谷線に乗り継ぎ行ってみると、閑静な住宅街の一角に研究所はあった。普通のお宅の2階の1室を仕事場にしている。ところ狭しと、専門書や工具が並んでいる。

「宝石の写真はですね、こうやって撮るといいんです」おもむろに専用顕微鏡のライトをつけ、「油ねんど」のパックをまわりに置いて、額縁から取ってきたという無反射ガラスを上に載せ、白黒のグラデーションをプリントした紙を下に敷き・・・「?」

「こうやると、宝石がきれいに写るんです」

なるほど、宝石の土台に透明感が生まれ、石が映える。しかしこのお方、そうとう凝り性とお見受けした。

「私はずっと、骨董をあつかってたんですよ、20数年も。で、55歳のとき、もともと興味のあった宝石にも手を広げようと奮起して、GIAのGG(米国宝石学会の鑑別・鑑定士)の資格をとりました」

いろいろそれまでに講習を受けたということもあるが、普通2年かかるところ7ヶ月で終了したそうだ。やる気があれば年齢は関係ない、というお手本の人が今、私の目の前にいるのだ。

ちなみに、「鑑定」は宝石のグレードを決めること、「鑑別」は本物・ニセモノを見分けることである。

「では、さっそく鑑定・鑑別の仕方、見せてください。」私はもうわくわくで、鼻の穴広がりっぱなしだ。


 

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