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特集


ロマンの木曜日
 
電柱広告を出そう

電柱に巻いてある広告がある。病院とか質屋さんの名前が表示されていて「この先右側」の様に、道案内を主な目的とした広告だ。調べてみると掲載料が意外に安い事が分かった。電柱1本につき月間2,200円。そんな値段で出来るんなら、うちの会社の電柱広告も出せそうだ。早速、電柱広告を取扱う広告代理店に連絡を取ってみた。
「電柱広告を出したいんですけど……」

ちなみに、本日7月1日は弊社5回目の創立記念日にあたり、勝手ながらそれにちなんだ特集とさせていただきました。いつもお世話になっております。

(text by 住正徳



電柱広告には2種類ある。1つは巻広告
もう1つは、上部に飾る掛広告。どちらも掲載費用は同じ
営業の熊谷さんと打ち合わせ
QRコードを入れたい!
場所は暗闇坂のふもとに決定
いつも子供たちがゲームで遊んでいる

デザインと設置場所を打ち合わせる

そもそも電柱広告を出したいと思ったキッカケは、弊社事務所のロケーションにある。最寄駅から遠く、住宅街の中に紛れているので分りづらい。初めていらっしゃる方々の大半が迷ってしまう。
「分りづらいですよー」
ようやく辿り着いた人たちは大抵汗だくで不機嫌だ。道が分りづらい上に、急な坂道の上にあるので来るまでに疲れてしまう。水曜日担当ライターの大塚さんは毎回弊社にたどり着けない。
何とかしないといけない。そんな時、思い付いたのが電柱広告だった。


電柱広告を取扱う東電広告社に問い合わせた。早速、営業担当の熊谷さんが来てくれたが、
「あのー、今、近い所にいると思うんですけど…」
と電話があった。やっぱり迷ってる。外まで迎えに行き、事務所に案内した。

ハンカチで汗を抑えながら、熊谷さんが説明を始める。
「電柱にはNTTさんが管理されているものと東京電力が管理しているものの2種類ございまして、私共は名前の通り東京電力の電柱を取扱っております」

--看板のデザインは自由になるんですか?
「東京都には屋外広告物条例というものがありまして、いくつかの規制があるんです」

デザイン上考慮しないといけないポイントは、
・あくまでも誘導目的でなければならない
・使用可能な色は4色まで
・商品写真、顔写真を載せてはいけない
というものが挙げられる。
各自治体によって多少の違いがあるようだが、東京都に限ってはこの3点に注意してデザインしないといけない。

「交際相手求む。住正徳」と顔写真付きで掲載する事は出来ないのだ。もちろん、そんな広告を出すつもりはないが、電柱広告はあくまでも誘導目的として設置されないといけない。

デザインは東電広告さんからご提案いただく事も出来るのだが、一応弊社はデザインを生業としている訳なので、自分たちでデザインさせてもらう事にした。

そこで、僕には1つのアイデアがあった。
--QRコードを入れたい

携帯電話で撮影すると、そのまま指定サイトにアクセスできるバーコード。
「前例がないので、出来るかどうか分らないですね……。ちょっと持ち帰らせてください」
実現すれば恐らくは日本初のQRコード付電柱広告となるが、一旦保留となった。


「設置場所ですが、現在、このポイントが空いています」
空いているポイントがマ−キングされた地図を見る。
おっ、暗闇坂の下が空いている! デジタルビイムまでの道のりで、最大の難関といえる暗闇坂。あの急勾配に、何人のチャレンジャーたちが弊社訪問を諦めたことか……。

そんな心臓破りな暗闇坂のふもとを設置場所に選んだ。

--「↑この先」の代わりに「↑がんばれ!」って表示したら駄目ですか?
「それはちょっと……」
あくまでも誘導目的なのだ。応援目的ではいけない。


そして、実際に設置されるのはデザインが決定してから2週間後。
掲出までの間、ただ待っているのも何なので、実際に看板を作っている様子を見学させてもらうことにした。

※看板制作費として別途1万円かかります。制作費がかかるのは初年度だけで、4年後には無料で新品と交換してくれます。


 

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